祥伝社新書
アメリカを歌で知る

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  • サイズ 新書判/ページ数 275p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396114596
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0222

内容説明

フォークソング、ブルーズ、カントリー…アメリカが自由の国として輝いていた時代、そこにはいつも歌があった。戦後の荒廃の中、歌う楽しさ、歌う喜びをもたらしてくれた、アメリカの歌たち。それらの歌にはどのようなルーツがあり、なぜ長く歌い継がれてきたのか。新天地アメリカが発展し、国土が拡大していく過程で、歌に人々は何を求め、何を託してきたのか。そして、それらの歌は、なぜ後世に遺ったのか。本書は、フォークソングの源流を探り、歌詞に込められた深い意味を分析、歌が誕生した社会的な背景に迫ります。現代のポピュラー音楽に計り知れない貢献をしたアメリカ音楽の魂を訪ねる、スリリングな歴史の旅!

目次

第1章 愛される歌 フォークソングの真髄(フォークソングとニューフォーク;ホーボーソング ほか)
第2章 なくてはならない歌 船乗りと七つの海の歌―Remember Me,Forever(時間、空間、人種を超えて;鯨捕りのバラッド)
第3章 記録する歌 フロンティアに生きる―「ワイルド・ウェスト」という神話(狂乱のゴールドラッシュ;アメリカのカウボーイ ほか)
第4章 つぶやく歌 「ブルーズ君」の語ること―よくわからないように、つぶやく(ブルーズの歌詞;「ブルーズ」とは心から離れないもの―ブルーズ以前 ほか)
第5章 表現する歌 近代化の犠牲の中で―働く人々の歌(石炭灰を食いながら;炭鉱歌の数々 ほか)

著者等紹介

ウェルズ恵子[ウェルズケイコ]
1958年生まれ。立命館大学文学部教授。アメリカのフォークソング(脈謡)の歌詞研究、アメリカ詩研究から領域を広げ、音楽関連文化と歌詞の比較文化研究、さらには「声の文化」に関する研究にも取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かふ

22
ブルースの項目がちょっと物足りないと思ったら『魂をゆさぶる歌に出会う』と『黒人霊歌は生きている』の続編のような、本書はフォーク・ミュージックの変遷からカントリー・ミュージックの源流について語っている。白人中心の音楽ということで、鉄道従事者(アメリカ開拓)、船乗り(アメリカ移民)、炭鉱夫(工業化社会の発展)とアメリカの歴史の中で歌が示してきた役割について述べている。フォーク・ミュージックのベトナム反戦の60年代まで。その後の公民権運動からBLMと保守化していきトランプ政権を生み出す歌はどうなんだろう?2021/04/28

クラムボン

18
前著の『魂をゆさぶる歌に出会う』では、ゴスペルやブルーズなどの黒人音楽からアメリカの黒人文化のルーツを辿りましたが、今回はフォークソングやカントリーミュージックなどの白人音楽を中心とした、より広範なアメリカのポピュラー音楽のこころの根源を訪ねます。船乗り、カウボーイ、炭鉱夫など、社会の底辺を生きる者がうたってきた歌が、今のアメリカの音楽の、まさにルーツだと…実感します。ただ著者は大学の先生なので、講義を拝聴してるようで、私にはアカデミック過ぎました。2021/08/24

たくのみ

14
カントリーやフォーク、アメリカ民謡を紹介する入門書。開拓と発展、騒乱と闘争、終わりなき自然との闘い、その中で民衆に愛されたフォーク。ウディ・ガスリー、ピート・シーガー、PPM、1965年のニューポートでの事件のボブ・ディラン。反戦と公民権運動の関係もそうだが、なくてはならない労働歌「Haul Away Joe」歓喜にあふれる鉄道員の歌、炭鉱の歌、置き去りにされた恋人の「Love In Vain」、女アウトローを歌った「ベルスター」。町の発展の歴史とともに、さまざまな歌が生まれるのはどこも同じなのだ。2016/05/02

y_nagaura

9
フォークソングやカントリー、ブルーズの成り立ちを歴史から紐解く。 短くも力強いアメリカの、力強い歴史が感じられる。興味深いのは、第4章つぶやく歌のブルーズ。世俗歌と霊歌は表現方法が異なるだけ、市場のニーズから分かれたとのこと。こうして純化され、後世まで残ることになったと考えると感慨深い。2021/05/03

タイコウチ

6
歌詞とその背景にある文化研究に基づくアメリカのフォークやブルーズ、カントリーの紹介。歌詞(英語)がたくさん掲載されていて、新書ながら資料的にも充実している。船乗り、鉄道、炭坑などの分類で、さまざまな労働の場における歌の発生について詳しく論じている。「歌い手は、苦痛で麻痺するほどの状態にありながら、苦痛の原因を自分から取り出して、「ブルーズ」だの黒猫だの、悪運や死神だのといった登場人物に仕立て上げ、傍観者のようにそれを眺め、しかも歌という娯楽を生産している」というようなブルーズ解釈も面白い。2016/04/21

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