内容説明
建御名方神、物部守屋、安曇氏、応神天皇、天武天皇…日本古代史の常識を書き換える秘められた伝承。
目次
序章 信濃に逃げる神と人(タケミナカタが結ぶ二つの聖地;善光寺境内で祀られていたタケミナカタ ほか)
第1章 善光寺秘仏と物部氏(独特の匂い;「信濃国には有名な霊場がない」といった修行僧 ほか)
第2章 諏訪信仰の深層(いくつもの文化圏に分かれる長野県;さまざまな形式の古墳 ほか)
第3章 タケミナカタと海人族(『日本書紀』に出てこないタケミナカタ;タケミナカタ信仰の背後 ほか)
第4章 信濃にまつわる古代天皇の事蹟(地獄に堕ちた女帝;突然消えたヒスイ文化の謎 ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
1959年、千葉県生まれ。歴史作家。『聖徳太子は蘇我入鹿である』で衝撃的デビューを果たしたのち、日本古代史を中心に、ユニークな視点から執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fseigojp
8
次は氏族2023/11/09
getsuki
5
空白の信濃古代史を独自の視点で書いた一冊。善光寺ご開帳に合わせての刊行も何かの縁か。勝者の視点に史観が偏りがちな史学界において、著書の努力には頭が下がる思い。欲を言えば、このテーマでもう一冊……善光寺だけで一冊とかして欲しかったかな。面白かったけど、削った部分もありそうな気がする。2015/05/23
m
3
善光寺の復習に。話は日本書紀や古事記にまで遡り気が遠くなる。結局結論が何だったのかわからないまま読了。著者の本はしばらく読み控えかな。2021/12/10
Juichi Oda
3
諏訪大社に祀られているタケミナカタは実は、善光寺とも関わりがあって、そこに大きな謎があるという。そして、西日本中心に考えられてきたヤマト王権の成り立ちの中で、実は信州が関わってきた事実が、考古学的にも伝承的にも見え隠れしていることが次から次へと語られていく。なんと、穂高を祀る安曇氏は何故に山国にやってきたのか実は海人族なんだというし、物部と蘇我はベストパートナーだったというし、神話で語られるタケミナカタの降伏が、ヤマト政権の成立ちを象徴する実態の比喩だったというとか、驚きに満ちた一冊!2015/07/14
zaku0087
2
古代大和の政争と、その結果生まれた政権を正当化するための文書、古事記と日本書紀の裏を読み取る「知的冒険」の書。ヤマタイ国とヤマト政権の関連性や、統一連連合王国になるまでのヤマト対各地の有力氏族の争いが神話として反映されていることの謎解きが、実に面白い。出雲と隼人とヤマト政権、神武東征と伊勢神宮、奈良の関係など説得力がある。明治以降の皇国史観で塗りつぶされた日本史は、古代から物証的考古学で見直されるべきだろう。いまだに明治に塗り替えられた宗教的な歴史を語る西国出身の連中にはうんざり。良書だ。2021/12/14
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