内容説明
建国から西ローマ帝国の滅亡まで。本書は、その一二〇〇年間を四つの時代に分け、七つのテーマを設けて、歴史の大きな流れとして見ていく。
目次
ローマ史を読み解くキーワード
起―建国から、カルタゴの滅亡まで(紀元前七五三~同一四六年)(なぜ、ローマ人は共和政を選んだのか?;なぜ、ローマ軍は強かったのか?)
承―内乱の一世紀から、ネロ帝の自害まで(紀元前一四六~六八年)(なぜ、ローマは大帝国になったのか?;なぜ、ローマ市民以外に市民権を与えたのか?)
転―五賢帝から、セウェルス朝の終焉まで(六八~二三五年)(なぜ、皇帝はパンとサーカスを与えたのか?;なぜ、キリスト教は弾圧されたのか?)
結―軍人皇帝から、西ローマ帝国の滅亡まで(二三五~四七六年)(なぜ、ローマは滅亡したのか?)
著者等紹介
本村凌二[モトムラリョウジ]
早稲田大学国際教養学部特任教授、東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、現職。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あゆ
62
はじめて読む人のローマ史1200年 高校は世界史の授業だったのでこの本はその復習にもなった。世界史のテーマでローマ史が1番好きだから読んでいてめっちゃ楽しかった。 授業は浅く教えてもらっただけなのでローマ史のこと、深く知れてよかったです! 授業で習った時にどうしてカエサルは暗殺されてしまったのかがずっと気になっていたのでその答えが知れてよかった! 2020/10/25
コウメ
59
とても読みやすいし、昔のローマの人は「名誉」や「勇敢」、「父祖の遺風」などの考え方が強く。傲慢はないというなかなか変わってる思想。ローマ軍は軍紀もとても厳しく、アウルス・ポストゥミス・トゥベルトゥスの息子を勝手に一騎打ちをしたので打首にするほど厳しい軍紀だった。功を挙げるより軍紀の方が重視している。「ザマの戦い」や「カンナエの戦い」は少し兵法的な部分があって面白い。奴隷の質など変化、以前は戦争捕虜だったが「捨て子」に変わっていった。当時は捨て子が多いし、捕虜は1度自由と知っているが、捨て子はそれを知らない2020/08/14
kawa
30
(再読)「ローマ人の物語」読了後に改めて。「はじめて…」のタイトルだが、「…の物語」後の読みでも、却って整理ができてサクサクと頭に入ってくる。「…の物語」再読や関連書籍チャレンジに意欲高まる良書だ。2019/07/20
kochi
23
中学の時にアシモフの『銀河帝国の興亡』を読んで以来、ギボンの『ローマ帝国興亡史』は、いつか購入して読む本であり続けているのだが、一向に、揃えられないのでf^_^;、本書を入門用に読んでみる。歴史の本というよりもテーマごとにまとめられているので読みやすい。太平洋戦争の戦後処理に関して、「日本は我々のカルタゴである」といったアメリカ高官もいたらしいので、「ローマの歴史のなかには、人類の経験全てが詰まっている」(丸山眞男)というのもうなずける。2015/07/27
masabi
22
【要旨】ローマ建国から西ローマ帝国の滅亡までを7テーマに沿って解説する。【感想】集団主義的、共和主義的帝国主義の原動力になったのが名誉である。死ねば無になるからこそ死後も名が残り永遠になることを目指して公職や武勲の獲得に心血を注ぐのかとも思った。先祖の活躍や実績を聞くことで幼いころから名誉を重んじることや自制を学んでいく。ストイックであることが戦場での強さや国政の強靭さ柔軟さに繋がったのだろう。2016/10/04