内容説明
アナウンサーや解説者が、まことしやかに述べる「野球のセオリー」。しかし、それらの戦術やプレーには、はたして合理的な理由があるのだろうか。こうした疑問に、統計学的な観点から答えようとするのが、本書で紹介する「セイバーメトリクス(野球統計学)」である。従来の「勘」や「感覚」に支えられた常識を覆す意外な「真実」が、データから見えてくる。
目次
序章 野球のセオリーは本当か?―セイバーメトリクスで見えてくる「真実」
第1章 9回裏無死1塁でバントをしてはいけない―攻撃編
第2章 失点は誰の責任か―守備編
第3章 日本とアメリカとの「常識」の違い
第4章 高校野球は「スポーツ」か?「教育」か?―アマチュアとプロの違い
第5章 あの名場面は統計学的に正しかったか?
著者等紹介
鳥越規央[トリゴエノリオ]
1969年大分県生まれ。東海大学理学部情報数理学科准教授。92年、筑波大学(第一学群自然学類数学主専攻)卒業。97年、筑波大学大学院数学研究科修了。博士(理学)。専門分野は数理統計学および野球のデータ解析手法であるセイバーメトリクス。また、野球だけでなくサッカーなどを含めたスポーツ統計学全般の研究も行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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showgunn
11
冒頭に、9回裏無死一塁の場面での送りバントは得点の確率を上げない、と書いてあって、これがこの前読んだ本と違う結果になっていたのでアレ?となった。 プロ野球をデータで分析した本は何冊か読んだけど場面場面でのデータは切り取り方でどうにでもなるっぽい、というのが感想。 それに比べると個人成績はopsとかwhipとかの新し目の指標を使っても、あぁやっぱりダルビッシュって凄いんだね、という結論になりがちで、そうなるとどこまで新しい指標を使うことに意味があるのかわからなくなってくる(年俸の決め方とかには有効なのかも)2016/08/03
たこやき
10
感覚論、経験論ではなく、統計的なデータに基づいてスポーツの有効な作戦を考えようという「セイバーメトリクス」。米国での指標を、日本のプロ野球に当てはめて紹介していくそれは、非常にわかりやすく、考えの導入としては最適だと思う。終盤にある、「江夏の21球」「史上最大の下克上」の場面場面での勝率を示しての評価なども面白い。そういう意味で、面白く読めた。ただ、いくつかの場面で、条件付けの難しさを感じる。それを含めて、統計学の面白さ、と言えるのかも知れないが。2011/05/23
Kaz
9
5年ぶりに再読。サイバーメトリクスは野球にぴったり。草野球にも応用できるといいんだけれど・・・。プロや高校野球とは全く違う展開だけに、応用力が試される。2016/06/08
文章で飯を食う
9
確率による野球の分析の話。かなり端折って書いているが、数字をあまりにも出しすぎると売れないという判断かな。バントがアウト一つを与えることで、ピッチャーに楽をさせるという視点はおもしろかった。統計的にも得にはなら無いようだし。2014/11/24
Kaz
8
なんだかんだ言って、結局打たなきゃ勝てない。守れなきゃ負ける。最後は個々の戦力アップにつきる、というのが監督五年目の心境。2019/03/20