内容説明
日本で犯罪に巻き込まれた外国人は、司法通訳を通じて警察と交渉し、取調べに応じる。中国人の司法通訳はわずかで、彼らは職業柄、日本の中国人社会の裏の裏まで熟知している。本書は、有能な一人の司法通訳が重い口を開いて語った、日本に暮らす中国人たちの夢と現実の物語である。犯罪はなぜ行なわれるのか、地下銀行はどう機能しているのか、相互扶助のネットワークはどうなっているのか。赤裸々に語られる事実に、われわれは驚かざるをえない。3Kといわれる製造業の現場は外国人の研修・実習生に頼っているが、その八割は中国人だ。日本の中のもう一つの国「中国人社会」の実態を明かす。
目次
プロローグ こんな中国人を、私は初めて見た(司法通訳ジェイジェイの登場)
第1章 「どこまで深化するのか」―ハイリスク・ハイリターン。来日中国人の犯罪現場(天職と出会って;地下銀行の法廷で ほか)
第2章 「弱い中国人の味方になってやる」―働くほど貧しい…のか。中国人研修・実習の現場(俺は立ち上がった;研修生の敵と味方 ほか)
第3章 「日本で稼いで豊かになりたいだけ」―格差だけでない落差の現場(研修・実習生を追い詰める「メード・イン・チャイナ」;国内回帰のメード・イン・ジャパン ほか)
エピローグ 中国の農村で日本の未来が語られている(日本の未来のルーツを探す旅;中国からやって来る“まれびと” ほか)
著者等紹介
森田靖郎[モリタヤスロウ]
1945年、兵庫県生まれ。1970年代初めに中国・チベット地区を訪れて以来、文化大革命、改革開放、天安門事件、香港返還など常に現地に立って中国ルポを発信し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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