内容説明
1993年、7月12日。強烈な揺れと巨大津波が、海の幸に恵まれた“宝の島”を、一瞬にして地獄に変えた。だが、家族も家も奪われながら、明日に向かって懸命に生きる姿が、ここにある。
目次
プロローグ 巨大津波の爪痕―七月十二日、奥尻を襲った北海道南西沖地震
1章 生と死の境―過酷な運命…しかし、奥尻は立ち上がる
2章 彫刻家、島に立つ―島おこしの情熱と、世界的芸術家・流政之との出会い
3章 夢の足音が聞こえる―強烈なカリスマ性を持つ彫刻家の影響
4章 奥尻島から北方領土が見える―初の記者会見とパーティー
5章 海にも、見る権利はある―千年の命を持った彫刻、岬に立つ
6章 四国から来た『はぐれ鳥』―第二の彫刻を呼んだ不思議な“因縁”
7章 夢は育ちゆく―『回天が原』と『カムイナガレ』
8章 播かれた種―木古内町を刺激した“望郷”の熱
9章 家を取られる印鑑、暗くする印鑑―楽観主義者のもとに人が集まる
10章 奥尻町・木村家の人々―二人の息子を持つ父として
終章 奥尻は死なない!―巨大津波に負けず、島を再建する決意