内容説明
生きた街の魅力を感じさせる33冊をノンジャンルで紹介。新感覚の都市論入門!
目次
都市と郊外のもう一つの関係―朝日新聞社編『アッジェのパリ』
貧乏の官能性―松原岩五郎『最暗黒の東京』
人間の道も曲がっている―ル・コルビュジエ『ユルバニスム』
これは社会学・社会政策学である―今和次郎・吉田謙吉『モデルノロヂオ 考現学』
初老の男が疲れたとき―永井荷風『〓東奇譚』
街は夜つくられる―中島直人ほか『都市計画家 石川栄耀』高崎哲郎『評伝 石川栄耀』
世界が憧れた花の都―田沼武能・金子隆一監修、木村伊兵衛著『木村伊兵衛のパリ』
未来都市を矛盾なく描けた時代―加藤秀俊・真鍋博・朝日新聞社編『2001年の日本』真鍋博『絵で見る20年後の日本』
街を変えるカリスマが書いたバイブル―浜野安宏『人があつまる―浜野安宏ファッション都市論』
細部からの現代都市批判―望月照彦『マチノロジー―街の文化学』〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
12
都市に関する本を読んでのエッセイ集。本書で紹介される歴史上の、またら空想上の都市たちは、近年蔓延っている画一的で、清潔で、便利で白くてスマートな都市を相対化してくれる。2022/01/26
Tenouji
12
秩序が求められていた時代。手触りが再び求められている時代。都市論は人間活動の象徴としてあるんだな。2021/09/23
RYOyan
7
紹介されていた本のうち藤原新也「東京漂流」と都築響一「TOKYO STYLE」は随分昔にハマったことがあり持っていた。堅いタイトルだったけど関連する33冊のエッセンスを知れて面白かった。都市的なるものとは何なのか、色んな方向から迫ることによって、やはり人の集まってくる場所には魅力があることを再確認。今の自分としては永井荷風を読んでみようと思ってる。2022/01/01
ありんこ
4
都市に関する本を数多く紹介しているので、興味深く読みました。最近、古い建物が新しくきれいなお店やマンションに変わることが増えています。一方で、レトロな喫茶店に行列ができたり、古民家をリノベーションした建物に人気が集まっていたりします。人々にとってどのような街が理想的なのか。著者のエッセイを読みながら考えました。「看板建築」という言葉を初めて知ったので、今度近所で探してみたいです。2023/03/19
masabox
2
都市論。と言うものってなかなか掴みづらい。ですが、こういうように関連書籍を並べるとともに話をしてもらうと、その外観から伝わりやすいですね。そして、気になる書籍も出てきます。「絵でみる20年後の日本」なんて、そうそう絵から想起される未来像というのは、その次代の唯一無二の力をこの絵は持っていたのです、さてさて、今一度見てみたいと思うわけです。が、この本全体としては、非常にまんべんなく都市を取り巻く書籍が紹介され、それらに対する著者の含蓄は、非常に感性を刺激されることうけあいです。2022/03/10