内容説明
ここ数年、研究室の学生と一緒にあちこちの祭りを訪ね、仮設舞台を調べた著者が、調査結果の中から、仮設舞台の例、祭礼の様子、組み立てる工夫などを紹介する。
目次
1 祭礼・神楽・仮設舞台―なぜ仮設か
2 舞台を組み、そしてほどく―神のための共同作業
3 神の空間、人の空間―祝祭の仮設劇場
4 組立ての秘密―継手・仕口の技術論
5 仮設舞台論―その歴史、そしてヨーロッパの例
6 佐渡の能舞台―眠っていた仮設舞台の部材
7 仮設舞台を訪ねて―調査の足跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kthyk
18
自粛生活、旅歩きもままならず、書棚本が慰めだ。日本は祝祭王国、仮設舞台があらゆる地域に広がる。新潟県中の俣の気比神社、福山鞆町の沼名前(ぬなくま)神社 、 山形寒河江の本山慈恩寺 ・・・。「組み立てに専門的な技術はない。釘や金物は使わない、縄も使わずほぞや栓を使った継ぎ手と仕口。祭りが済めば拝殿の床下に置く 」「狭い境内、場所がないらは理由ではない。雪に弱い、祭りの時しか使わない。」「祭礼は非日常、日常生活とは異なる世界を観る」「 祇園祭の山鉾は仮設舞台に共通、神社建築は、当初は仮設だったのではないか」。2021/05/31