出版社内容情報
日々がつらくなった時こそ
金子みすゞ
金子みすゞは、1903(明治36)年に山口県で生まれ、大正中期から昭和初期に活躍した童謡詩人です。彼女の残した作品には、こまやかな気づかいの優しい言葉が溢れています。「私」の存在や、小さな動植物に対する愛情、悲しみなど、現代に生きる人びとに大切なこころのありかを教えてくれます。いつの間にか忘れていた小さな幸せ、生活する喜びにもあらためて気づかせてくれるのです。本書では金子みすゞの名詩を47編収録。金子みすゞを知るきっかけとなる一冊となります。
内容説明
金子みすゞ生誕120年記念。大切な人に贈りたい、みすゞさんの言葉。私とあなた、あなたと私。人は誰でも居るだけでいい。明るいほうへ、優しいほうへとまなざしを変えたくなる童謡詩人・金子みすゞ厳選47作品収録。
目次
こころ
私と小鳥と鈴と
四月
木
春の朝
露
土と草
美しい町
転校生
このみち
ふうせん
あるとき
海とかもめ
おさかな
忙しい空
お日さん、雨さん
水と影
もくせいの灯
燕の母さん
帆
明るい方へ
こだまでしょうか
草原の夜
栗
いいこと
達磨おくり
お菓子
石ころ
山茶花
積った雪
ねがい
わらい
昼と夜
雪
さびしいとき
星とたんぽぽ
もくせい
草原
葉っぱの赤ちゃん
誰がほんとを
灰
雨のあと
橙の花
薔薇の根
暦と時計
どんぐり
お花だったら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
224
生誕120年。母娘関係や自然との関わりを、時に優しく時に斜に構えて、リズミカルに描写します。「私と小鳥と鈴」など、人それぞれの個性を大切にしています。 「私と小鳥と鈴と」 私が両手をひろげても、 お空はちっとも飛べないが、 飛べる小鳥は私のように、 地面を速くは走れない。 私がからだをゆすっても、 きれいな音は出ないけど、 あの鳴る鈴は私のように、 たくさんな唄は知らないよ。 鈴と、小鳥と、それから私、 みんなちがって、みんないい。2023/06/26
かめりあうさぎ
18
初読み作者様。いくつかの有名な詩の一節は知っていましたが作品集を読むのは初めてでした。気取らない言葉の中に、少女らしい瑞々しさや、彼女なりの生き辛さなどがこめられているように感じました。人間を含めた生き物や自然に対する優しい眼差しを温かく受け止める柔らかい心を忘れてはならないと思いました。2024/03/28
カール
15
金子みすずさんの詩集を新刊の棚で見かけて、懐かしくて思わず手に取りました。大正から昭和初期にかけて書かれた詩だけど、古さは全く感じず、心にふっと刺さる言葉が綴られている。2023/01/08
grassbigsky
0
いつだっかた、上戸彩主演の金子みすゞ物語を観た。みんなちがって~の詩は知っていたが、金子の人生については知らなかったので彼女の人生を想い涙する思いだった。つらい生活の中からどうして温かい言葉が生まれるのか。金子の詩はすべてのものに公正、公平。小鳥と私を同列におくだけではない。物であるすずも同列なのだ。そして、つねに弱いもの、虐げられるものに暖かい目が向けられる。いや、強者の心情にさえ暖かい手が差し伸べられる。だから読む人すべての人の心に軽やかな空気が流れるのではないだろうか。2023/02/22
錆びた標識
0
すごく切なくなった。少女の心の中を覗いてるみたいで、見てはいけないもの(とてもプライベートなもの)を見た気分。2023/02/15