目次
四国遍路日記
松山日記
一草庵日記
随筆(個人誌「三八九」全六集;「其中日記」所収の手記・随想;諸誌掲載の随筆;寸言集(「層雲」掲載))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風太郎
6
日記・随筆を読んでいくと、山頭火は自分が愚かで、どうしようもないと自覚している事がわかります。でもそれでも失敗を繰り返してしまう。そこに山頭火の苦悩があって、心の闇があって……、その中から自由律俳句が生まれていく。本書には、山頭火の本音の吐露の間に、彼の句が散見され、バタイユの『文学と悪』を読んだ後でもあり、苦悩や心の闇から作り出された言葉の連なりに、美しさと温かみを感じました。自分の場合、はたして、愚かでどうしようもないと自覚することができるのか、そんな自分に向き合えるのかと自問させられました。2017/11/11