出版社内容情報
20世紀バッハ研究の総決算。忘れられた演奏習慣、数多くの真偽不明の作品、「フーガの技法」や「ロ短調ミサ曲」など、バッハの作品伝承にまつわる数々の疑問や謎を、厳密な資料学的研究の立場から解明する。1995年刊の新装復刊。
【目次】
I バッハ研究の現状
研究の二大領域
資料学的方法
文献学的方法――楽譜校訂
分析的方法
II 演奏習慣の諸問題
忘れられた演奏習慣
記譜法の問題
楽器特定の難しさ
器楽および声楽編成の問題
合唱団の構成
奏法の問題
III 「バッハ復活」の背景――ロマン派のゴシック的バッハ像をめぐって
ロマン派以前のゴシック受容
ロマン派のバッハ受容
『マタイ』蘇演の放った光
IV バッハをめぐる偽作の問題
七百曲にのぼる真偽不明の作品
なぜ偽作が生まれるのか
疑わしい作品の実例
真偽判定の方法
V 『フーガの技法』の謎
『フーガの技法』をめぐる五つの謎
いつ作曲されたのか
楽器編成をめぐる論争
初版印刷譜の楽曲配列の欠陥
四重フーガは未完か否か
初版譜の校訂者は誰か
VI 晩年のバッハとその作品――バッハ像修正の試み
変貌するバッハ像
作品に対する意識の変化
演奏実践における晩年の特徴
VII 『ロ短調ミサ曲』のバロック的普遍主義
後世への音楽的遺産として
最終楽章におけるパロディーの意味
あくまでも上演を望んだバッハ
注
あとがき
人名索引/事項索引/作品名索引
内容説明
20世紀バッハ研究の総決算。忘れられた演奏習慣、数多くの真偽不明の作品、「フーガの技法」や「ロ短調ミサ曲」など、バッハの作品伝承にまつわる数々の疑問や謎を、厳密な資料学的研究の立場から解明する。
目次
1 バッハ研究の現状
2 演奏習慣の諸問題
3 「バッハ復活」の背景―ロマン派のゴシック的バッハ像をめぐって
4 バッハをめぐる偽作の問題
5 『フーガの技法』の謎
6 晩年のバッハとその作品―バッハ像修正の試み
7 『ロ短調ミサ曲』のバロック的普遍主義
著者等紹介
小林義武[コバヤシヨシタケ]
1942年北海道室蘭市生まれ。66年東京大学文学部美学科卒業。同年オーストラリア政府奨学生としてウィーン大学に留学(主専攻:音楽学)。67年ドイツ・ゲッティンゲン大学へ転学。71年から72年までゲッティンゲン大学音楽学研究所副助手。73年同大学にて博士号取得(博士論文『フランツ・ハウザーとそのバッハ・コレクション』)。74年から91年まで在ゲッティンゲン、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ研究所学術研究員。91年から99年まで同志社女子大学学芸学部音楽学科教授。98年ドイツ・ドルトムント大学客員教授。99年より成城大学文芸学部芸術学科教授。1996年辻荘一・三浦アンナ記念学術奨励賞受賞。2002年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2013年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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