出版社内容情報
史料研究とは何か。楽譜校訂はどのようにしてなされるのか。ハイドン研究所での楽譜校訂の経験をもとに、従来のハイドン研究を鳥瞰しつつ、史料批判に裏打ちされた校訂のあり方とともに交響曲の全貌と宗教音楽家ハイドンを論じる。2002年刊の新装復刊。
【目次】
まえがき
I ハイドン交響曲
1 ハイドン交響曲研究への序章 ランドン研究批判
2 作曲年代設定の問題
3 創作時代の区分
4 交響曲様式の変遷
第一期 交響曲様式への模索
第二期 バロック様式の同化
第三期 聴衆への迎合と実験
第四期 古典的感性
第五期 円熟
II ハイドンの校訂楽譜
1 校訂楽譜の実際
2 校訂楽譜の歩み
III 〈パリ交響曲〉史料研究
1 〈パリ交響曲〉の成立をめぐって
2 〈パリ交響曲〉の楽譜研究 交響曲第八三番を中心に
[I] 研究史と批判的考察
[II] 史料比較研究の実際
IV ハイドン もうひとつの肖像
1 宗教音楽家として
2 オラトリオとヴァン・スヴィーテン
3 《天地創造》の台本をめぐって
註
あとがき