内容説明
バロックの屍臭ただようオーストリアの片田舎に生まれたブルックナーが、どのようにして異形とも言える交響曲の数々を世に遺すことになったのか。聳え立つ音楽から窺い知れぬ人間ブルックナーの素顔をあぶり出す。
目次
序 謎のブルックナー
第1章 田舎教師
第2章 リンツ
第3章 ヴィーン
第4章 抗争
第5章 野の人
第6章 恢復
第7章 名声
第8章 改訂の迷宮
第9章 死の時計
第10章 告別
著者等紹介
田代櫂[タシロカイ]
1947年、長崎県生まれ。クラシック・ギタリスト、著述家。2017年4月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ろべると
8
作曲家ブルックナーの本は3冊目。やはり興味深いのは、作曲家が生み出した神々しい音楽と実像とのギャップの大きさ。田舎者丸出しなのは良いとしても、死体や処刑に異常な興味を示したり、還暦を過ぎても10代の女の子に手当たり次第に求婚するのはヤバすぎるし、比類のない高みに昇りつめた交響曲第8番についても、何ともそぐわない標題をつけている(「野人が寝返りを打っているところ」だとか)。天才というものは、えてしてそういうものなのだろう。こうした実像など知らなくても、その音楽が全てを語っており、それで十分なのは間違いない。2024/08/25
Teo
0
16年前の本の新装版。私は子供の頃から偉人伝と言うのが好きではなくて偉人だか何だか知らないがよその人間の過去など知った事かとほぼ読んだ事がない。そんな私であったけど、何となくブルックナーについては読んでみようかと言う気になった。ブルックナーの音楽が大好きであると言うのが背中を押したと思われる。2021/09/08
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