出版社内容情報
大正期は,虚子を中心とするホトトギス派制覇の時代だが,その時期を生きた著者が個人的にも親しい60家を,かくれたエピソードをも織りまぜながら楽しく描いた大正俳壇史。
内容説明
虚子を中心とするホトトギス派制覇の時代を描く大正俳壇史。俳壇の一流作家が解釈・鑑賞・批評した古典的名著の復刊。
目次
俳諧の隣むなしき余寒かな(内藤鳴雪)
水鳥の浮くも潜るも浄土かな(石井露月)
橋一つ我に掛れり秋の川(数藤五城)
霜凪のすぐ裏山の窓の雪(河東碧梧桐)
第一楼の桜だらけの中から島便りする(同)
湯呑久しくこはさず持ち四十となる(荻原井泉水)
霜降れば霜を楯とす法の城(高浜虚子)
春風や闘志いだきて丘に立つ(同)
渋柿のごときものにて候へど(松根東洋城)
吾妹子の膝にとりつく竃馬かな(松瀬青々)〔ほか〕