正統とは何か (〔2009年〕新)

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  • サイズ B6判/ページ数 305p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393416105
  • NDC分類 934
  • Cコード C0098

内容説明

ブラウン神父シリーズで知られる鬼才が、傑作『木曜日の男』と同時期に発表したエッセイ。現実を見つめなおすとき、常に読み返されてきた、不朽の名著。

目次

1 本書以外のあらゆる物のための弁明
2 脳病院からの出発
3 思想の自殺
4 おとぎの国の倫理学
5 世界の旗
6 キリスト教の逆説
7 永遠の革命
8 正統のロマンス
9 権威と冒険

著者等紹介

チェスタトン,ギルバート・キース[チェスタトン,ギルバートキース][Chesterton,Gilbert Keith]
1874‐1936。ロンドン生まれ。小説家、批評家、詩人、ジャーナリスト、カトリック主義者。軽妙洒脱な文体、達意の警句、逆説の発想などを縦横に駆使して、文芸、社会、政治、宗教、美術とあらゆる分野において、鋭利な批評に健筆をふるう。日本では推理小説「ブラウン神父」ものの作者としてあまりに有名

安西徹雄[アンザイテツオ]
1933‐2008.松山市生まれ。上智大学大学院修了。同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Amano Ryota

5
自分とは何だったのか。『われわれはみな同じ精神の災厄にとらわれている。みな自分の名を忘れているのだ。自分が本当は誰であり何者なのか、われわれはみな忘れ去っているのである。常識と言い、現実と言い、実証と言う。けれどもそれが意味するのはただ、われわれの生命のある深い層においてわれわれが死んでおり、われわれが忘れたということさえ忘れているということにすぎぬ。精神と言い、芸術と言い、恍惚と言う。それが意味するところはただ、ある恐るべき一瞬において、われわれは忘れていたということを思い知るということにつきるのだ。』2016/11/07

植岡藍

4
さすがの面白さで、ある種箴言集のような趣きもある。チェスタトンによる信仰告白というのが正しい理解のような気がするけれども、信仰を信じる信じないという地点に立たずとも、哲学的な姿勢で生きることへの一つの答えだと思う。アリストテレスからの繋がりを感じた。2019/03/02

てれまこし

1
正統こそが自由の防壁であり改革への情熱の源であるというのは、面白いっちゃ面白いが、チェスタトン一流の逆説であって、文学としては楽しいが、こんなことが文士じゃないキリスト教徒の正統であったはずがない。確かにありきたりの自由主義者の書くものよりはよっぽど痛快だけど、それをいったらチェスタトンが嫌うニーチェだってそうだ。少しは保守主義に通じる話もあるが、むしろニーチェと同じようにその時代の正統をこき下ろす異端の説として読むべきじゃないか。一体、知識人嫌いの日本の「保守」の論客もちょっと知識人すぎるんじゃないか。2018/02/26

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