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この悲しみの意味を知ることができるなら―世田谷事件・喪失と再生の物語

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  • サイズ A5判/ページ数 265p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393364949
  • NDC分類 916
  • Cコード C0011

出版社内容情報

事件から7年、隣家に住む発見者でもある姉が、今、沈黙を破って語り出す。事件直後の悪夢の日々と再生の道のり。
ささやかだが大切に守ってきたあたたかな暮らしが、ある日突然、根底から揺るがされたとき、人は何を思い、どう生きるのか?
喪失の悲しみ、自責の念、「未解決」の恐怖と焦りを心の内に抱えながら、警察・メディアへの対応、無責任な好奇の目を向ける世間との闘いを余儀なくされた一人の平凡な女性が、その壮絶な歳月の果てに見出したのは、それでも人生にイエスと言って生きたい、という生への希求、幸福への意志だった。人間の底知れぬ悪意と同時に、それに決して屈しない人間存在の気高さを描いて瞠目させられる、奇跡の書。

内容説明

ある日突然隣家に住む最愛の妹一家を奪われ平凡だがあたたかな暮らしを一夜にして失った女性。事件直後の悪夢の日々、そして立ち直りを模索しつづけた家族の道のり。

目次

1 死の物語(記憶;事件;二〇〇一年、元旦;犯人の痕跡 ほか)
2 生の物語(どん底;十字架の道行き;道しるべ;ツェねずみ ほか)

著者等紹介

入江杏[イリエアン]
国際基督教大学卒業。英国の大学で教鞭をとるなど、10年に近い海外生活ののち帰国した2000年12月31日未明、「世田谷一家殺害事件」に遭遇し、妹一家を失う。その後、犯罪被害からの回復・自助とグリーフケア(家族・友人など大切な人を亡くして大きな悲嘆に襲われている人に対するサポート)に取り組みながら、絵本創作と読み聞かせ活動に従事している。“ミシュカの森”主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saori

5
世田谷一家殺害事件の被害者遺族の方が書いた本。改めて事件を風化してはいけないと思った。被害者遺族の方は、大切な肉親を亡くし傷つき、さらにその後はマスコミや心ないネットへの書き込み、誤報や偏見等に傷つき二重三重の苦しみとなることが分かった。治安の悪い遠い国で起こった事件ではなく、安全国家といわれる大都市東京で起こった事件・・・・・。一刻も早く犯人が逮捕されることを願わずにはいられない。2009/11/06

みひみひ

3
世田谷一家殺人事件の被害者の姉が書いた本。私たちは、事件があると恐怖に感じてその背景や動機など興味を持つけど、やがて時間とともに忘れてしまう。でも、遺族にとっては、終わりはない。特に…未解決の事件だと怒りのぶつけどころもない。普通の暮らしをしていたこの二つの家族の幸せを絶った犯人が早く見つかるといいです。そして、息子さんがささやかな幸せを見つけてくれてるといいなと思います。それにしても、警察の初動捜査とメディアの対応は、この事件に限らず、ひどいなといつも思います。2014/04/03

あずさ

3
世田谷一家殺人事件の被害者の姉が書いた本。こうやって本にかけるようになるまで、とても辛かっただろうと思った。早く犯人が逮捕されてほしい。2013/12/13

b1chon

3
‥悲しみを知った今だからこそ、ささやかなことに目を瞠って、ただごとに感動し、一瞬一瞬をいとおしんでいきたいと思える。これを苦しみの意味というのなら、苦しみからの贈り物を微笑んで受けとりたいと思う。‥もし自分だったら、悲しみや憎しみにがんじがらめになって、この域まで到達できるとはとても思えない。思えないけど目指しはしたい。ところどころ見られる感情の発露や行間から、深い葛藤を感じました。2011/09/18

Hiroshi Kiso

2
被害者の遺族の悲しみは大切な人を失うことだけでは無い。警察からの嫌疑、マスコミの取材、近所の人からの目、ネットでの中傷、遺族同士の悲しみの種類の差。その苦しみが続く中でも日々の生活は続いていく、悲しみを受けとめて生きていく筆者の姿が描かれている。グリーフケアの中で、筆者は本による心の癒し、心の成長について触れている。「読書により豊かな心、想像力を育て、犯罪が起こらないような土壌を作る。」という考えがとても良いと思った。犯罪が起こらないような豊かで平和な土壌が育まれることを望む。2012/08/04

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