出版社内容情報
「これは自殺じゃないね」――探偵小説家とその弟子が不可解な謎に挑む。
時は大正十二年。気鋭の探偵作家・平井骸惚のもとに、弟子入りを志願する青年・河上太一が現れる。骸惚は、不可解な自殺を遂げた作家の謎を解いた暁には、弟子入りを認めようと河上に持ちかけるのだが……?
内容説明
時は大正十二年。探偵小説家・平井骸惚に弟子入りを懇願し、平井家の居候となった貧乏学生の河上太一。だが一向に弟子と認めてもらえず、骸惚の娘の涼には嫌われ、肩身が狭い毎日。そんなある日、骸惚の知人である作家が不可解な自殺を遂げる。骸惚は「これは自殺じゃない」と断定するも、それ以上語ろうとしない。義憤に駆られた太一は事件の謎を追うが“密室殺人”であることが判明し…。大正浪漫薫る推理劇、ここに開幕!
著者等紹介
田代裕彦[タシロヒロヒコ]
2003年「平井骸惚此中ニ有リ」で、第3回富士見ヤングミステリー大賞の大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
27
富士見ミステリー文庫から出ていたシリーズが角川文庫で。大正十二年ということで時代を意識した文章がよかった。事件にあまり魅力を感じず。発売予定だった2巻は出ていないようで…。2016/11/28
よっち
27
大正十二年。探偵小説家・平井骸惚が「これは自殺じゃない」と断定する知人作家の不可解な自殺の謎に、骸惚に弟子入りを懇願し居候となった貧乏帝大生の河上太一が骸惚の娘・涼とともに挑む物語。弟子入りを賭けて二人が編集者・香月とともに犯人探しに向けて調査を開始するストーリーでしたが、柔和でいろいろ器用な太一と気の強い女学生・涼や、骸惚の家族を絡めたやりとりはなかなか興味深かったものの、ミステリとしてはあっさりめで探偵役として見た二人もまだ役者不足だった感。今回は推察していた骸惚が幕引きしましたが、今後の成長に期待。2015/11/09
igaiga
23
結果的に探偵作家が解決したということなのかな??なんか、面白いんだか面白くないんだかよく分かりませんでしたが、この時代背景は好きです。しかし、書生かぁ弟子かぁ。年頃の娘がいる家にあっさりとあげるのって当時はアリなのか??ちょっと変なところが気になりました。2019/01/02
KOH
8
時は平成十六年一月。今はなき富士見ミステリー文庫から一作の小説刊行されたり。その名も『平井骸惚此中ニ有リ』。当時珍しき軽文学のミステリィ。奇抜な表題、講談調の語り口と相まってなかなかに愉しき話ではありましたが、残念ながらその知名度たるや極めて低し。良く言えば隠れた佳作、悪く言っても不遇の秀作。しかしながら何となんと。月日は流れ平成二七年十月。角川文庫より復刊の吉報有りけり。ぜひ皆さまご一読くださいませ。2015/11/06
睦月
8
読みやすくて面白かった。次も出るのが決まってるみたいで楽しみ♪2015/10/30