責任と物語

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責任と物語

  • 戸谷 洋志【著】
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  • 春秋社(千代田区)(2025/01発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393334102
  • NDC分類 151.2
  • Cコード C0010

出版社内容情報

私たちはみな、それぞれの人生という物語を生きている。そのなかで他者と関わり自己を解釈することで、アイデンティティは紡がれ、人格は陶冶されていく。
責任を引き受けるとは、その人格を通して過去を省察し、その姿勢を未来へと向けることである。物語的責任は他者との関係性における許しと約束によって深められ、自己責任論を超えた、互いに支え合う「弱い責任」へと?がっていく。

内容説明

われわれは自分の人生の物語を生きている。物語のなかで自己を解釈することでアイデンティティは紡がれていく。物語的責任は他者との関係性における許しと約束によって深められ、自己責任論を超えた互いに支え合う「弱い責任」へと繋がっていく。

目次

第一章 伝統的責任概念の構造
第二章 決定論
第三章 二階の欲求説
第四章 物語的責任
第五章 回顧と訂正可能性
第六章 許しと約束の力
第七章 物語の核

著者等紹介

戸谷洋志[トヤヒロシ]
1988年東京都生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。専門は哲学、倫理学。法政大学文学部哲学科を卒業し、2019年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。ハンス・ヨナスの研究で学位取得。2015年「人類の存続への責任と『神の似姿』」で涙骨賞奨励賞受賞。同年「原子力をめぐる哲学」で暁烏敏賞を受賞。2022年『原子力の哲学』でエネルギーフォーラム賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

110
責任と物語という意外な組合せに興味を覚えて手にした。自由意志を前提とする伝統的責任概念に対して、自己を物語化して解釈をする「物語的責任概念」という考え方がユニーク。責任を引き受けることは、物語の訂正を要求するが、その訂正において「許し」と「約束」が救済策となるというアーレントの指摘が鋭い。不可逆性への救済が許しで、不可予言性への救済が約束なのだと。「主人公としての自己」という本書の結論には異議もあるが、強者の論理で自己責任論を振回す風潮の中で、戸谷先生が提唱する「弱い責任」や「物語的責任」に救いを感じる。2025/02/07

エジー@中小企業診断士

14
主題:責任主体の構造。人生全体を統制する目標=私の存在意義、自分の人生を「物語」として理解する。自己解釈=物語的な構造化。人格、自由意志、道徳的義務=伝統的な責任概念を脅かす決定論を巡る議論⇒自由意志の再検討(他行為可能性→二階の欲求説)物語的責任の措定。物語概念の精緻化→訂正可能性の検討。ウィトゲンシュタイン、東浩紀、アーレントを参照。物語の訂正可能性を認めることが歴史修正主義へと接近しないためにアーレントの「許しと約束」を扱う。訂正可能性を無制限に許容するものではない。自己肯定感と他者との関係性⇒責任2026/04/24

yoshichiha

3
ハンナ・アーレントを引いて「許し」と「約束」の考え方を、物語と訂正可能性に結びつけて論じたパートは面白かった。許しによって、物語から生まれる多様な影響を包摂しつつもそれを終わらせられること、約束によって、物語が進んでいく道筋をつけられること、というのは、「世界は自分の思い通りにはならない」ということで思考停止しないための推力になる感覚。2025/07/01

Morimoto

2
私たちはなんのために生きるのか?哲学を考えるのは楽しいですね ◆人が「責任を取る」というとき、すなわち道徳的義務を負うことことがどのようにして可能になるのか?これが本書の命題。責任の主体であるためには、「私」が自らを物語で理解できなければならない。その物語の主人公でなければならず、ある種の自己肯定感と両立する。「私」は物語の作者にはなれないが、主人公でいることはできる。他者から助けてもわらなければ主人公でいられない。それは互いを許しあい、約束を交わし合い、そしてその傷つきやすさを気遣いあうことで成立する。2026/05/23

貝殻会計

2
再読がいる 「責任を引き受ける」ことができるのは、「責任を引き受けない」こともまたできるときである。「責任を引き受けない」こともできるのに、あえてそうしないということが、「貴任を引き受ける」ということだ。そして、責任を引き受けないということは、自分の責任を他者のせいにする、ということである。私たちが自分の責任を引き受けるとき、それは、考えようによってはそれを他者のせいにもできるときである。それでは、なぜ「私」は、他者のせいにすることができる責任を、あえて、自分で引き受けるのだろうか。

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