内容説明
コロナ禍の世界で生きていくということを、出産を控えた妻をいたわるなかで見つめる、ささやかな、しかしかけがえのない日々の記録。
目次
まえがき 愚かなままの未来の私に突き刺すための、歪んだ鏡としての日記
三月の日記
四月の日記
五月の日記
六月の日記
あとがき あるいは、極めて私的な、個人主義の終焉の記録としての日記
著者等紹介
川崎昌平[カワサキショウヘイ]
1981年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。作家・編集者、昭和女子大学および東京工業大学非常勤講師。社会と芸術の接合をテーマとして作品を発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鳩羽
6
作家であり編集者であり大学の講師でもある著者が、妊娠後期の奥さんとコロナ禍の落ち着かない日々を過ごしていくにあたって、賢い市民として、社会人として、夫として、生きるとはどういうことなのかを問う日記。いまだに心配しすぎなのか、警戒が足りないのか分からないままの日々を過ごしているが、少し怖がりすぎのように見えるこの日記からは、自分一人の場合と守るべき家族や共同体がある場合の、立場と思考の変化がよく見て取れる。個人主義が刹那的な勢いや多様性と引き換えにしたもの、そういった存在を発見するような日々であり日記だった2020/10/11
みあら
1
まだ一年もたってないのに 非常事態宣言前の2020年の3月辺りが懐かしく思えた。無事にお子さまが生まれてなによりです。2020/12/04
なん
0
編集者兼物書きの筆者が、コロナ禍の真っ只中を妊娠中の奥さんを守っていく戦いの日々の日記。頼もしいのか心配性なのか、旦那としての自己評価が高くない様子も伝わってくるが、そことは余り関係なく、お腹の子はすくすく育ってくるし奥さんの腹も据わってくる。併記してあるコロナ感染者数はまさに「数字のための数字」なのは今となっては懐かしい感覚。2024/04/28