出版社内容情報
真理追求の果てにあるのは神か無か。古代ギリシャから続く相対主義と実在論の論争を超克。無限とパラドクスの彼方に差異を再生産する運動体として人間理性の本質を示す。
内容説明
古代ギリシャ以来の哲学的難問・相対主義。相対主義を純化し蒸発させたとき、そこに何が現われるのか。ルイス・キャロルのパラドクスやマクタガートの時間論、デイヴィドソンの概念枠批判やクオリア問題など、近年の論争的なテーマを旅しつつ、「私たち」をめぐる存在論と、無のさらに奥にひそむ特殊な「なさ」を考察する非在論。
目次
序章 「地平線と国境線」と「足の裏の影」
第1章 相対主義という考え方
第2章 プロタゴラスの人間尺度説
第3章 相対主義は自己論駁的か
第4章 アキレスと亀とルイス・キャロルの「三者関係」
第5章 相対主義とその周辺
第6章 「枠組み」の問題
第7章 「ない」よりもっと「ない」こと
第8章 「ない」ことの連鎖
第9章 相対主義と実在論の極限における一致
著者等紹介
入不二基義[イリフジモトヨシ]
1958年11月11日生まれ。東京大学文学部哲学科卒。同大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は哲学。現在、山口大学助教授。著書に『哲学者たちは授業中』(共著、ナカニシヤ出版、1997年)『大学デビューのための哲学』(共著、はるか書房/星雲社、1992年)等
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感想・レビュー
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ゆうひん
4
授業の参考文献で紹介されたので読んだ。冒頭のエッセーが面白い。足の裏に影はあるのか?という問いは考えたことがなく、子どもながらの発想に感心した。内容は初めは分かり易かったものの、ガチめな論理学の知識が登場してくると雲行きが怪しくなった。決して意味不明ということはないが、ここまで徹底的に思考することを好きでいられないと哲学をするのは厳しいのだなと感じた。レポートを書く際に読み込んだ「枠組み」の章はわかった気がするが、脚注の「わたし」の話はお手上げだった。もう一度読んだ時に違う読み方ができればいいなと思う。2019/07/15
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