内容説明
帰結主義や義務論と並ぶ現代倫理学の一大潮流にして、いま俄然注目を浴びる徳倫理学。しかし肝心の「徳」とは一体何か。本書は、「徳」「幸福」「徳と幸福の関係」に焦点を絞り、高い学術水準のまま、前提知識なしに、わかりやすく読める稀有な入門書。
目次
第1章 序論
第2章 徳、性格、傾向性
第3章 技能を要する行為と有徳な行為
第4章 徳の力はどこまで届くか
第5章 徳とよろこび
第6章 徳の多数性と統一性
第7章 徳と善
第8章 幸福に生きること
第9章 有徳に生きることと幸福に生きること
第10章 結論
著者等紹介
アナス,ジュリア[アナス,ジュリア] [Annas,Julia]
1946年、英国生まれ。オックスフォード大学卒業。ハーバード大学で修士号およびPh.D.を取得。オックスフォード大学セント・ヒューズ・カレッジで教鞭を執ったのち、アリゾナ大学へ移り、現在、アリゾナ大学哲学教授。専門は古代哲学
相澤康隆[アイザワヤスタカ]
1979年、東京都生まれ。三重大学人文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buuupuuu
8
〈徳〉を技能と類比的に捉え、その習得に学習が必要であり、それを自分の側から引き受け、反省的に理解し、向上心を持って発展させていくものとして説明する。技能が機械的習慣化とは異なるということは、生態心理学の人などもよく言っている。ポイントは強靭さや汎用性であろう。技能は命題知とも当然違うものであるが、本書では、学習の過程において理由を考えることの重要性も指摘されている。発展段階に応じて徳のあり方は変わってくるとされるが、どの段階でも同じものを志向しているという了解があるはずで、そこにイデアが関わってきそうだ。2022/01/19
バケツ
2
徳とその獲得について……などなど。ニコマコス倫理学の副読本として読んだ。とてもいい。2022/11/26
しゅう
2
徳とは、生まれつき備わっているものではなく、知に基づいた習得が必要。機械的な反応とは違い、技能の発揮と同様にその状況に相応しい反応をする。 よく生きる事とは、有徳に生きる事である。 どのような環境が幸福かでなく、その環境内でどう振る舞うかが重要。 2021/12/17
JF1RLN
0
正直難しいっす。というのが最初の感想。著者さんの思想はわれら仏教徒とは喰い合わせが悪かったりする思想なんだろうか。とりあえずそんな風に。2024/12/21
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