出版社内容情報
空海『般若心経秘鍵』の上表文に出典がみられる嵯峨天皇宸筆の『般若心経』は疫病や飢饉が流行するたびに朝廷で礼拝されてきた。その歴史から日本におけるその受容と展開を解き明かし、あわせてそこに共通する空海の『般若心経』観についても論じる意欲作。
内容説明
疫病対策に礼拝されてきた嵯峨天皇宸筆の『般若心経』から、日本におけるその受容と展開を歴史資料から丹念に解き明かし、あわせてそこに共通する空海の『般若心経』観についても論じる意欲作。
目次
第1章 嵯峨天皇の宸筆『般若心経』と「上表文」(「上表文」を偽作とみなす六つの根拠;「上表文」の形式・文辞上の七非)
第2章 わが国における『般若心経』の受容と展開(「優婆塞貢進解」にみられる『般若心経』;「六国史」にみられる『般若心経』)
第3章 嵯峨天皇宸筆『般若心経』の天覧・頂戴(嵯峨天皇宸筆『般若心経』の天覧・頂戴の記録(一)―中世の事例
嵯峨天皇宸筆『般若心経』の天覧・頂戴の記録(二)―江戸後期の事例)
第4章 空海の『般若心経』観(『般若心経秘鍵』にみる空海の『般若心経』観;空海の文章にみられる『般若心経』 ほか)
第5章 『般若心経秘鍵』上表文が参考とした史料(弘仁九年四月の飢饉・日照りの記録;最澄への墨勅と比叡山寺における修法 ほか)
著者等紹介
武内孝善[タケウチコウゼン]
1949年、愛媛県生まれ。1977年、高野山大学大学院博士課程単位取得退学。その後2年間、東京大学史料編纂所に内地留学。1981年から1997年、『定本弘法大師全集』の編纂に従事。2002年から2012年、文化庁文化審議会専門委員(文化財分科会)。2013年7月設立の「空海学会」初代会長に就任。現在、高野山大学名誉教授。空海研究所長。博士(密教学)。専門は、日本密教史、特に空海伝・初期真言宗教団成立史。第32回日本印度学仏教学会賞、密教学術奨励賞(1992・2007年の二回)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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