空海密教

羽毛田 義人【著】/阿部 龍一【訳】

春秋社（千代田区）（1996/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 208p／高さ 20cm
• 商品コード 9784393172735
• NDC分類 188.52
• Cコード C0015

内容説明

空海と密教を知る最もスタンダードや書物として欧米でロングセラーとなっている名著の待望の日本語訳。難解な密教用語を極力かみくだき、日本の文化・歴史的背景をも充分に配慮した平易な語り口…。空海の人と思想を知る上で最適の書。

目次

第１部　空海の生涯（成長期；転機；出家と求法；師恵果和尚との出会い；試練；名望；高雄山寺の灌頂；高野山の開創；東寺時代；高野山への帰還）
第２部　空海の思想（顕教と密教；空海の密教の教理と実践）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[bapaksejahtera]

図書館廃棄書籍。何と区内図書館にはこれで本書を蔵する処がなくなった。密教の深奥である三密（身密口密意密）を「避けよ」と呼号する現今を象徴するようだ。著者羽毛田義人氏は戦後高野山大学海外研修生として渡米した俊秀。原著は氏がコロンビア大学から出版し、今日尚本書は同国の大学での教科書に広く採択されている由。それを直弟子で継承者たる阿部竜一氏が翻訳した。平易な原文は訳も素直で読み易く、かつ理解が進む。第一部は弘法大師の生涯をその思想の成長と共に著し、第二部は主著の紹介を合わせ難解な教理を平易に説く。良書である。

2022/06/14

[非日常口]

昔、世界がひとつになることは憧れだった。そして現在グローバル化という形で一応それは達成されたが、そこに思想はない。遍在・意志・伝達・運動を表す曼荼羅はサイバー空間には存在しないようだ。そこに加持はなく代わりにシェアやフリーが詰まっている。資本が理となり、数字がコトを表す。サイバー空間にあまねく情報の海。形骸化した空海が現れるが、そこに命を吹き込むべきではなかろうか。

2012/12/22

[Harumi Kimura]

第1部第4章 師恵果和尚との出会い 空海への最後の教戒〜努力努力、最善を尽くすのです。(弘全1、100-101P) 第2部第2章 空海の密教の教理と実践 空海の原著で調和を示す語は「瑜伽」。 真言密教の全体系は大宇宙そのものの大日如来が永遠なる瑜伽に住するという宗教的直観をその精要としている。

2017/08/05