内容説明
インドでの仏像の誕生とその後の展開、さらに梵天や帝釈天、弥勒、観音、四天王、八部衆などの図像的特徴や性格・信仰等を典拠となる文献を挙げながら詳説する。
目次
第1章 仏像の誕生
第2章 大乗仏教美術の源流―ガンダーラ
第3章 梵天と帝釈天
第4章 弥勒信仰とその造形
第5章 観音菩薩の展開
第6章 変化観音の源流
第7章 四天王と毘沙門天
第8章 兜跋毘沙門天の成立
第9章 八部衆の源流
第10章 アジアの阿修羅
著者等紹介
宮治昭[ミヤジアキラ]
1945年、静岡県沼津市生まれ。1968年、名古屋大学文学部(美学美術史)卒業。1972年、同大学大学院博士課程(印度哲学)中退。名古屋大学文学部助手、弘前大学助教授を経て、現在、名古屋大学大学院文学研究科教授。1969年よりインド、パキスタン、アフガニスタン、中国の仏教美術の調査を続ける。専門はインド・中央アジアの仏教美術史。文学博士
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感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
2
仏教は元々無神論であり、仏陀を図像することも忌避してきた。しかし仏伝で装飾されたストゥーパ信仰を経て、ガンダーラとマトゥラーで別個に仏像を創るに至った。仏像政策が一般化したのはイラン系のクシャーン王朝の下であり、その王権神格化の造像伝統が仏像にも影響した。行者と王者の二項対立は脇侍とされることの多かった両者の代表としての弥勒と観音それぞれの造形にも表れ統合されていく。また中央アジア、中国、朝鮮に伝播し日本に至るそれぞれの地で、諸仏像は土着宗教の影響を受けながら受容され、インドの原型と異なる姿に変貌していく2018/01/17
さくら
1
まさに入門という感じで非常に分かりやすかったです。図が多用されているのでいちいち確認しながら読み進められるのもいいですね。2012/08/20