出版社内容情報
チベット密教の最も重要な実践法「究竟次第」に関する我が国初の本格的な解説書。「究竟次第」の中心は、女性との性的実践を行う<性ヨーガ>と、瞑想中に死をシミュレートする<臨死ヨーガ>である。そうした「性理論」と「死の理論」が、どのようにして仏教に導入されたのか、またその「究竟次第」の実態はいかなるものだったのか。今なお解明されていない、こうした問題点に光を当てて、インドにおける密教思想の流れ全体を丁寧に解説する。
内容説明
性エネルギーを活用して悟りを得る驚異の身体技法「性ヨーガ」。死のプロセスをシミュレートする「臨死ヨーガ」。インド・チベット密教の究極の奥義とされる、この二大秘法の理論と実践を気鋭の密教学者が明快に解き明かす。
目次
導入篇―仏教と輪廻転生
セクソロジー篇
タナトロジー篇
完結篇―性と死の統合
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
in medio tutissimus ibis.
2
言語に不信感を持つ大乗仏教の後、シンボリズムを掲げ仏格との合一による悟りを目指した密教は、生理学的に神秘体験を志向する尸林の宗教と出会い、悟りに至る非言語的アプローチを確立した。即ち、輪廻転生説に基き個体の生成を追体験する性のヨーガ「母タントラ」と、中有の導入により肉体の壊死から心身の分離に再解釈された死に臨むヨーガ「父タントラ」である。後にこの「楽」と「空」のヨーガは「時輪タントラ」において統合されるに至る。2018/10/25
ノメ
0
後期密教そしてチベット仏教とはどのようなものかを理解できる。2014/03/08