内容説明
ナチズムという狂熱的な波にのみこまれたドイツ人を魅惑した力とは何か。
目次
第1章 ナチズムの美学と言語―キッチュと神話と死
第2章 二つのヒトラー像―キッチュとニヒリズムの魅惑力
第3章 悪魔祓いの諸形態―言語の麻痺と新たなディスクール
第4章 ナチズム解釈の問題点―綜合的視点の必要性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ティス@考える豚
7
非常に面白い。映画、小説、書記などからヒトラーやナチスに対する悪徳の美学を考察している。ナチス登場から現代に至るまでヒトラーへの人物像の探究が衰えることはない。それは彼が強大な『悪』の象徴でニヒリズム誘う『死』の権化だからだろう。なおかつメディア戦略による彼個人の趣味・思想・私生活は現代にまで大きく知れ渡り身近さがあった。もちろん現代ではそれが好意的な意味では認められないし、反面教師的な意味合いで利用されるのだろう。しかし、ヒトラーの成した恐怖とはニヒリズムの魅惑に満ちていてそれに引き寄せられる者も多い。2015/11/30