内容説明
栄光の物語の背後にある非情…。これら三人の政治家はそれぞれに自国の国家的利害を背後に反ファシズム戦争を遂行する。そしてこの三者三様の動きは第二次世界大戦史、とくにその外交史の一面を形作るものであろう。
目次
1 休戦への傾斜
2 1940年6月、自由フランスの成立
3 最初の試練
4 ドイツの和平提唱とイギリスの抗戦
5 ロンドンとヴィシーとの間
6 1941―42年における諸事件
7 米英連合軍、北アフリカに上陸
8 アルジェにおける「取り引き」の行方
9 1943年1月、カサブランカ会議にて
10 1944年、Dデイからパリ解放まで
12 回想のモスクワ、そして1945年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホンドテン
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図書館でーDHの予習として。電撃戦によるフランス敗北の内幕劇から始まる「ある」と冠する本書の軸となる主人公はチャーチルではなくド・ゴール。ルーズヴェルトは不可欠な敵役だがスターリンやヒトラー程度に影が薄い脇役。ほぼ単身で脱出しチャーチルの庇護にありながらその意に盲従せず亡命グループ、パルチザン、植民地さらにヴィシー政権にまで影響力を及ぼし、対抗者を退け、掌握していく過程をその強運も含め淡々と描いていく。ド・ゴールの立場から見ると、連合国の足並みの揃わなさに驚くばかり、巨大な陰謀なんて成り立つまい。2018/05/05