出版社内容情報
あとがき
いつの時代にも世相を彩(いろど)り、人びとの心に残る歌がある。『歌謡曲おもしろこぼれ話』は、こうした名曲の裏側に隠れている、こぼればなしを紹介した読物。基本的には、平成十年一月十日から平成十三年三月三十一日までの三年三ヵ月間、『読売新聞』夕刊に毎週土曜に連載した『歌謡史外伝』をまとめたものである。
平成九年晩秋、『読売新聞』の原田信男芸能デスクから「20世紀が終わりということもあって、戦後歌謡史のようなものを書いてみないか」と、有難い執筆のチャンスを頂いた。それも「三十歳代から六十歳代の読者をターゲットに、専門的な難しいものではなく、一回一回が気軽に楽しく読める読み切りで、年代もバラバラ、話題もバラエティーに富ませて書いて欲しい」という注文であった。
執筆に当たっては、スキャンダラシーな話、プライベートなことは意識的に避けた。スターの裏話にも面白いものが沢山あるが、それよりも歌が出来るまでのエピソード、ヒットさせるための苦労話にスポットを当て、サラリと紹介したつもりでいる。
私自身、レコード会社の中に長くいて、ずっーとディレクターをやっていたので、どうしても苦楽を共にしたアーチストの話が多くなっている。これは致し方ないことと思っているが、その意味では“自分の歌謡史”かもしれない。
著者略歴
長田 暁二(おさだ ぎょうじ)
1930年 岡山県に生まれる。
現 在 音楽文化研究家、音楽プロデューサー。
著 書 『童謡歌手から見た日本童謡史』(大月書店)『日本の民謡(東日本編)』『日本の民謡(西日本編)』 (現代教養文庫=社会思想社)ほか多数。
内容説明
いつの時代にも、世相を彩り、人びとの心に残る歌がある。こうした歌謡曲の裏側に隠れているエピソードや歌い手をめぐる様々な秘話を、歌謡界の生き字引的存在である音楽文化研究家の著者が詳しく紹介。本書はまた、歌謡曲を風俗としてとらえるだけでなく、社会的な存在としてとらえ、時代の変遷とマスコミの発展のなかで歌謡曲がどのように“変容”をとげてきたかをも的確に語っている。
目次
潮来
顔と声
元はクラシック歌手を志願
ブルースの女王
地声つぶして新境地
長崎と雨
シンガー・ソングライター
運を呼ぶ歌手
ひょうたんから駒
渡辺はま子の「歌は世につれ」〔ほか〕
著者等紹介
長田暁二[オサダギョウジ]
1930年岡山県に生まれる。現在、音楽文化研究家、音楽プロデューサー
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