現代教養文庫<br> 白牙

現代教養文庫
白牙

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784390116480
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

不朽の長篇が新訳版で甦る!
『白牙』が今日まで100年もの間読み継がれてきたのは、くり返し読まれる魅力をもつからだ。
 ジャック・ロンドンは二〇世紀初頭のさまざまな断面を描いた作家として知られる。『どん底の人びと』に連なるルポルタージュや「放浪・冒険もの」、そして、動物文学の不朽の名作といわれる 『野性の呼び声』や本書など、その作品は多彩。
 前者が生命に隠されていた“原初”を取り戻していく物語とするなら、本書は、犬の血を引く子狼がやがて人間と出会い、二〇世紀初頭の喧騒に翻弄されながらもたくましく生き、飼い主との友情と信頼を育てていくという物語。特に第1部の意外性と新鮮味は、物語作者ロンドンの優れた技量をきわだたせる。「生命を構成する原子のことごとくが、たえず結合し、発育成長し、変化する。今存在するどんなに優秀な生物にしても、かつてはどうにでも作られ得る柔軟な幼児にすぎなかったのだ」と、作家は、二つの物語の関連を暗示する。
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目次
1 荒野
2 荒野に生まれて
3 荒野の神々
4 優れた神々
5 飼い馴らされて
  訳者あとがき
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訳者略歴
辻井栄滋(つじい えいじ)
1944年 京都府に生まれる。
1985年度「ジャック・ロンドン・マン・オブ・ザ・イヤー賞」受賞。
《現在》立命館大学教授,日本ジャック・ロンドン協会会長,米国ジャック・ロンドン財団顧問。
《著訳書》『現代英語文学の展望』(共著,音羽書房)『ジャック・ロンドン大予言』『ジャック・ロンドン自伝的物語』(ともに晶文社)ジャック・ロンドン=セレクション全3『どん底の人びと』『ジョン・バーリコーン』『試合―ボクシング小説集』(いずれも社会思想社・現代教養文庫)『地球を駆けぬけたカリフォルニア作家』(本の友社)『アメリカ浮浪記』『赤死病』『極北の地にて』『アメリカ残酷物語』(いずれも新樹社)『太古の呼び声』(平凡社)
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ロンドン自身がこの作品を書くに至った動機なるもの等について述べているので、少し長いがご参考に供したい。

 「人々は、僕の“うんざりするようなリアリズム”のあらを探すが、人生はうんざりするようなリアリズムでいっぱいなのだ。僕は、男女の現状――何百万人もがいまだ軟泥の段階(階級のどん底)にあること――を知っている。しかし、僕は進化論者であり、したがって、心の広い楽天家であり、それゆえに僕の人間(たとえ軟泥の状態にあっても)愛は、僕が人間の現状を知り人間の行く手にすばらしい可能性の数々が見えることから生まれるのだ。それが、僕が『白牙』を書く動機そのものだ。生物の生命を構成する原子のことごとくが、たえず結合し、発育成長し、変化する。今存在するどんなに優秀な生物にしても、かつてはどうにでも作られ得る柔軟な幼児にすぎなかったのだ。環境からくる重圧を一方向に限ると、先祖返り――野性への逆もどり――が起きる。もう一方は飼い慣らしであり、教化だ。僕は、生命の図抜けた適応性についても感銘を受けてきたから、環境の驚くべき力と影響をいくら強調してもしすぎることはないという感じがする」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Satoru Kobayashi

1
淡々としすぎて叙情性に乏しい訳。ストーリーは面白かっただけに、残念。2016/03/17

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