内容説明
レ・ファニュ、ブラックウッド、アン・ブリッジなど7人の作家によるクラシックな怪奇・幻想傑作物語集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
19
黒ミサに吸血鬼、人狼(?)とバラエティに富んだアンソロジー。ブラックウッドは流石と思わせる出来だけど、今回のはあまり怖くはない。むしろ考えオチではあるが「早朝の礼拝」の方がぞっとさせられた。特筆はレ・ファニュ「ウォッチャー」。日常に忍び寄る怪異の影を余すことなく書き表している。最後の後日談が蛇足のような気がするが、一人の男が追い詰められていく様は読んでいて引き込まれる。それにしても、やはり古典的な怪奇小説は読んでいて落ち着くなあ。2012/04/17
佐島楓
12
日本ではあまり知られていないであろうイギリス人作家の前世紀初頭くらいに書かれた怪奇アンソロジー。モチーフが黒ミサや吸血鬼など、いかにもなものからサイコサスペンス風のものまでさまざまだった。時代的・歴史的背景からかんがみると、実際に起こったことなのではと思わされてしまい、そこが一番怖かった。2012/10/05
madhatter
5
再読。黒ミサ・吸血鬼・幽霊・因縁話等、古いタイプの怪奇小説を集めた短編集。有名どころからあまり本邦での紹介が進んでいない作家まで顔触れが多彩、個別のレベルも高い。個人的にはブラックウッドの初訳作品「メディシン湖の狼」が、怖いのとは違うが心に残る。ブラックウッドの真骨頂「自然」の領域を侵してしまった人間の恐怖を扱った作品と思いきや、そんな人間同士の幽明境を超越した交流を描いており、読後は切なくもあたたかい気持ちになれる。2012/08/30
はや
4
短編が7本。『メディシン湖の狼』アルジャノン・ブラックウッド作、『ラント夫人の亡霊』サー・ヒュー・ウォルポール作、の2本が面白かった。 前者について。主人公の前に現れた不気味な存在と物語の舞台設定について、主人公の心象がどんどん変化し、長いあいだ不動だった物語が終わりに向かって動き出す。 終わらせてくれるのを待っていた物語、頭がじんと痺れる湿っぽい読後感だった。2023/09/19
二夢
4
つい最近まで日本の怪談話をたくさん読んでいたので、様々なアンソロジーを新鮮な気持ちで読めました。私はゾッとするよりはドキドキする感じで読んでいました。2012/08/31
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