内容説明
昭和24年8月17日、東北本線松川駅付近で列車が転覆。冷戦の進行と大量の人員整理を背景として起ったこの事件は、戦後最大の冤罪事件といわれる。現場を知りつくした保線係長が「被告たちは無罪」ともらすのを聞き、著者による事件の調査に拍車がかかり、謎の深層が一つひとつ解明されていく…。
目次
事件
遊間調査
破蔵未遂
継目板隠匿
バールの謎
捜査
復旧工事
スパナの行方
時代
逮捕開始
赤間勝美『自白』
『自白』者の心理
検事と判事
使命感
裁判
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
11
中野昌吉 補助機関士 斎藤儀兵衛 補助機関助士 山岸義雄 犬走りをふさぐ 運転車掌 阿部五郎 月齢は22.3 サマータイム制 →02.09だった 標準時は霧も出ていた 雨上がりでもあった 浅川街道 踏切警手番小屋 電話 機関助士 茂木政市 炭水車に押しつぶされた 福島機関区当直助役 乗客に通報頼むぞ 松川駅 1.7km 15分はかかる 本田義幸(24) たまたま乗っていた (福島駅乗客掛) 「列車妨害だ」とつぶやく茂木のつぶやきを聞いた 野地政美(松川線路班工手) 3:30-4:00の到着2008/10/26
i-miya
1
仙台の私の家 兄 田河町 三鷹事件 S24.07.15 松川 S24.08.17 増田かねしち官房長官発言 〈長野出身〉 政治は常に願望を発表するもの 東北本線、金谷川ー松川間列車事故 林竹二先生 S25.12 判決 全員有罪、5人死刑 高橋晴雄君 橋本国男氏 完全に無罪だよ (鉄道管理局保線区長子牛田保線区) 30年封印 27年改印 大久保良雄 こけし旅館 奈良重三郎ー仲介 勅使河原安夫 弁護士 約3時間の証言 無明の世界へいった人 ≪ 事件 ≫ S24.08.17 A.M. 02.27 荷
Ikuto Nagura
0
謀略論とは一線を画する正統派ノンフィクション。事件とは30年を隔てた時期の取材だが、存命の関係者の証言も多く、他書では「謎が多い」だけで済まされる工具の発見過程の詳細など初めて知る内容も多かった。印象に残ったのは、『松川裁判』を著した広津和郎の影響を強く受けた憲法38条と刑事訴訟法の規定に基づいて行われる検察と二審への批判と、自由党の弁護士袴田重司の支援など無罪確定に向けた「天の配剤」。さらに、真犯人追跡はしないものの、松本善明周辺の事件や、中島辰次郎の告白についても論じられていて、お腹一杯になれる一冊!2016/04/18