現代教養文庫<br> 吸血女の恋

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現代教養文庫
吸血女の恋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 231p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784390114318
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

純潔な神学生が絶世の美女の魅力に呪縛される。実は彼女は娼婦で、しかも死ぬたびに甦っては愛する男の血をすする吸血鬼。だが彼女の正体を知ったのちもイヨイヨ熱情につのらせて、昼は謹厳な司祭で、夜は妖女との愛欲におぼれる遊蕩児に変身する青年僧の奇妙な二重生活を描く『吸血女の恋』。ほかに、王妃の艶麗なヌードシーンを家臣にのぞき見させたために命を落とす王の話『カンダウレス王』、アラビヤン・ナイトのエキゾチックで夢幻的な情緒を盛った大人の童話『千二夜物語』、吉凶の双つ星のもとに生まれた若者が自分の分身と戦って幸運をかちとる『双つ星の騎士』、の三篇を収録する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

60
表題の作品はどこかで読んだことがあると思ったら岡本綺堂訳「クラリモンド」…吸血女の純情があわれを誘う。収録されたいずれの作品にも絶世の美女を登場させた作者は、解説によると「女性に求めるのは―美しさだけ」と他の作品で登場人物に言わしめたとして作者の価値観として披瀝されるが、そうは思えない「カンダウレス王」の妃ニュシアはその美貌とともに異教徒には測りがたいが峻烈な程のプライドを持ってその内面の輝きを読者に知らしめているではないか?「千二夜物語」のレイラにしてもその一本気な性格は受身の女性にはない潔さを感じる。2016/10/21

しらたま

1
秋山まほこさんのお人形が表紙。強気の美女揃いの短編集。美は正義ということだろう。「カンダウレス王」が好み。2019/10/12

小竹

1
幼い頃から神への祈りに自らを捧げ、静謐のうちに暮らしていた<私>。長年の願いが叶い、司祭となるべく臨んだ叙階式のさなか、<私>はその運命の女クラリモンドに出逢ってしまう…。「クラリモンド」の名でも知られる表題作の他「カンダウレス王」「千二夜物語」「双つ星の騎士」の短・中篇を収める。自らの規範にあくまで忠実、故に無慈悲に見える絶世の美女ニュシアの登場する「カンダウレス王」が特にいい。巻末解説の古風な言葉運びは好ましいが、他小説の結末を語ってしまうのは戴けない。2017/08/21

flatscan

1
表紙 https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/613CmJaFbcL._SL500_.jpg

龍國竣/リュウゴク

1
「カンダレウス王」と「千二夜物語」には、絶世の美女が神秘のベールに隠されているところを風に捲られ、男がそれを見て恋に落ちるといった共通の筋がある。表題作でも「それまでジッと伏せていた顔をヒョイとあげたとたん」恋に落ちる。一目惚れが一つの鍵になっている。2014/04/05

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