内容説明
隠されてきた「悪」に焦点をあて、真実の人間像に迫る。歴史上の悪人は本当に“悪”だったのか!?歴史上の善人は本当に“善”だったのか!?歴史の常識を覆す興味あふれる一冊。
目次
禹―犯罪者を庇護する伝説上の帝王
夏の桀王―末喜のせいで末期症状を呈した王
殷の紂王―「悪の教典」暴君伝説の真実とは
孔子―その行き過ぎた理想主義は欠点か
始皇帝―歴史上最初の皇帝を称した男の実像
〓〓(ろうあい)―始皇帝の母と通じた絶倫の男の実像
趙高―始皇帝後の権力の頂点に立った男
二世皇帝胡亥―父始皇帝を継承し、秦帝国を崩壊に導いた皇帝の実像
項羽―大局と兵士・民をかえりみない西楚覇王
劉邦―諸侯王と家族を冷遇した皇帝〔ほか〕
著者等紹介
鶴間和幸[ツルマカズユキ]
1950年、東京都生まれ。1980年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、学習院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピオリーヌ
15
ラインナップに偏りが。光武帝、曹操、劉備、孫権、煬帝。後漢、五胡十六国、南北朝が軽視され過ぎ。読了。登場人物一人につき20頁前後でさくさく読める。「東アジア編 上」 ということで禹から安禄山まで。所謂中華帝国以外の登場は冒頓単于のみと、ややバランスに欠ける構成と感じる。悪評の目立つ桀王、紂王、嫪毐、趙高、胡亥、煬帝の箇所からは評価の見直しが見て取れ、評価の高い孔子、劉邦、漢の武帝、光武帝、唐の太宗、唐の玄宗等の箇所からは彼らの負の一面が読み取れる。面白い。お勧め。2023/07/27
さとうしん
7
各執筆者がこれまで発表した研究や一般書の良いダイジェストになっている。先秦~前漢武帝あたりまでは『史記』の記述の克服が裏のテーマになっているように感じた。ただ、この内容で「悪の歴史」を語っていることになるのかどうかは非常に疑問を感じる。他の巻との兼ね合いもあるのだろうが、君主や后妃だけでなく、盗賊・遊侠など多彩な人物を取り上げたり、思想面での掘り下げがあっても良かったのではないか。2017/10/08
金監禾重
6
一般に悪人とされる人をかばい、英傑とされる人の悪を暴く形になっており、かえっておもしろい。桀・紂は戦国時代に諸子が王を誘導するために、反面教師としてエピソードを盛ったとおもわれるが、もともと知能は高く力は強く美貌と、個人としては優れていたという設定。自己評価の高い王にも聞かせる工夫か。ロウアイの乱も史書に謎が多く、れっきとした有力者であった可能性もあるという。2022/02/24
getsuki
6
東アジア編上巻。大物がずらりと並ぶ中、やはり「論語」の孔子に関する人物評が興味深い。2017/10/11
chisarunn
5
立ち読みするにはながかったので借りて来たんだけど、始皇帝の項だけ読んで返却しました。2025/03/15