出版社内容情報
中山 喜代市[ナカヤマ キヨイチ]
著・文・その他
内容説明
ノーベル文学賞を受賞したアメリカの文豪スタインベックの魅力はまず、読んでおもしろいことである。ヘミングウェイにないユーモアに富んでいる。そういうおもしろさを生み出すのが彼の文体である。『天の牧場』『トーティーヤ・フラット』『はつかねずみと人間』はいうまでもなく、どの小説を読んでいても機知とユーモアに満ちた、心あたたまる描写に出くわしてたのしくなる。皮肉の響きも心地よい。スタインベックの小説は一見、素朴でやさしくみえるが、読みすすめるにつれてその奥の深さに驚かされる。彼の文学的源流が、旧約聖書や新約聖書、アーサー王伝説、聖杯探求、アメリカの神話、アメリカの夢に根ざしていて、その芸術性も豊かである。本書はこのような知的想像力をもって読者を鼓舞し導いてくれるスタインベックの魅力を解き明かす。
目次
第1部 ジョン・スタインベックの生涯(作家の誕生と少年時代(一九〇二年~一八年)
大学時代と作家修業時代(一九一九年~二九年)
カリフォルニア時代(一九三〇年~三九年)
ポスト・カリフォルニア時代(一九四〇年~四九年)
ニューヨーク時代(一九五〇年~六八年))
第2部 スタインベックの主要作品と思想(初期の作品;『はつかねずみと人間』;『怒りのぶどう』;『キャナリー・ロウ』;『エデンの東』;『われらが不満の夜』)
著者等紹介
中山喜代市[ナカヤマキヨシ]
1935(昭和10)年大阪府に生まれる。1962年関西大学大学院修士課程修了(文学修士)。1996年文学博士。大阪市立天王寺第二商業高校などの教壇に立ったのち、1970年から関西大学や熊本学園大学にてアメリカ文学を講じ、現在関西大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。