出版社内容情報
星野 慎一[ホシノ シンイチ]
著・文・その他
目次
1 時空を越えて(ゲーテはなぜ永遠に読まれるか)
2 疾風怒涛の時代に(若き日のゲーテ;作家として、大臣として)
3 孤独の世界で(イタリア旅行とフランス革命;晩年のゲーテ)
4 日本におけるゲーテ(ゲーテと日本文壇;東京ゲーテ記念館)
著者等紹介
星野慎一[ホシノシンイチ]
1909(明治42)年長岡市に生まれる。東京大学文学部ドイツ文学科卒。文学博士。旧制成城高等学校、埼玉大学、東京教育大学、南山大学、各教授歴任。1998年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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泉のエクセリオン
6
ゲーテの思想と生涯を簡潔に伝える良書。代表作である『ウェルテル』『ウィルヘルム・マイスター』『ファウスト』などの簡単な解題もあるので、ゲーテの作品を読みたいが、ためらっている人には是非読んで欲しい。個人的に面白いと思ったのは日本の文壇がゲーテをどう受容したかで、芥川龍之介をしてゲーテは100年後になっても読まれる作家であるとし、ゲーテには心からの敬意を払ったという話や、ドイツ語に堪能であった森鴎外が『ファウスト』を日本で初めて第2部まで訳したことなど、日本の作家たちにも影響を与えていると知って嬉しく思った2024/11/01
Y.Yokota
3
ゲーテその人についてはもちろん、ゲーテが如何に日本に紹介されてきたかを全体の3分の1くらいに渡って書いている点が特徴だと思う。森鴎外の功績、芥川龍之介のゲーテ評価など色々興味深いことが知れた。ゲーテその人については、政治の世界から思い直して芸術の道へもどるなど、エピソードそのものに勇気をもらえる。『西東詩集 』、読まねばなるまい。2020/02/27
kazutox
2
これから「ファウスト」を読むので、予習のために図書館で借りてきました。読んでみると、ふた昔前の偉人伝といった感じです。ゲーテ偉い偉い言われてもなあ、人生てきとうそうな人物にしか見えないけどなあ、「人間ゲーテ」(岩波新書評伝選)のほうにすればよかったかなあ。ゲーテがいつごろ何をして何を書いたのかは一応把握できました。なお、本書で一番面白かったのは最後の「東京ゲーテ記念館」の節です。2022/06/29
くらぴい
2
ベートーヴェンとの邂逅を別書で知り、ゲーテが親身に手話(メモ帳に字を書いて、彼に理解させた)した心温まるエピソードを知りました。小説で人間形成を描き、読んで啓蒙させるのは凄いです。