出版社内容情報
村上 嘉隆[ムラカミ ヨシタカ]
著・文・その他
目次
1 サルトルという人
2 サルトルの思想(明晰なる無償性;保留された自由;客体化された自由;集団となった自由)
著者等紹介
村上嘉隆[ムラカミヨシタカ]
1931(昭和6)年札幌に生まれる。北海道大学文学部英文科、哲学科卒。同大学院修士課程修了。立正大学講師。哲学・美学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林 一歩
13
嘔吐。サルトルはそれに尽きる。もしくは、サルトルで眠れない by 早瀬優香子(笑)2015/01/18
たらちゃん
10
難しいことはわからないけど、どうやって育ったかがそこまで人格に関わるのかと思うと、子ども達に申し訳なくて自分を石で打ちのめしたくなります。2017/01/09
向う岸
6
サルトルの実存主義は自分が他人からどう思われているか、何を望まれているかという「まなざし」が自分の評価を決めるとしている。思い出すのは天職とは他人に推されて、請われて就くものであるという言葉を思い出す。一方でマルクス主義に影響を受けたサルトルだが、マルクス主義の全体が幸福になることによって個人も幸福になるという考えに対し、個人の幸福が国家の利益より重要だと考える。これはナチスによるパリ占領を経験しているからだろうか。国民全体の熱狂がナチスを後押ししたことの反省なのかもしれない。2015/02/26
遊た(ゆうた)
4
解説書にしては難しい内容の本だった。最近ではサルトルの思想はあんまり注目されていないのか、その解説書で身近に手に入るようなものは少ないと思われるので、それでもサルトルの思想を知るうえで貴重な本であると思う。結局、サルトルの思想は難解なのでその解説書も難解な内容になってしまうから、この本のように難しい解説書でも頑張って読むしかその思想にふれる機会はないのかもしれない。直接サルトルの著書を読むという手もあるが、やはり難しすぎると思うので、もっとわかりやすい解説書も出てくればいいなとも思う。2018/01/06
虎哲
2
サルトルの著作と格闘した経験はないが、教科書的な知識でサルトルが好きだなと思っているので読んだ。著作の引用を含んだ伝記として読んでも面白い。サルトルの思想だけでなく、著者がサルトルを含むヘーゲル・マルクスを「三つの柱」としており、彼らの思想との中のサルトルの思想、及びその特質と限界をしっかりと明記していたため読みやすかった。ただ著作の後半、サルトルによる「全体化」の導入より後あたりから置いてきぼりにされた感あり。全体には関係ないが、著者による書物の考え方を表明した一文やサルトルの生涯をまとめた一文は好み。2021/01/13