出版社内容情報
宇野 重昭[ウノ シゲアキ]
著・文・その他
内容説明
ヨーロッパ近代とは何か。血のにじむような中国の実体験をもってこれに答えようとしたのが、毛沢東であった。ヨーロッパ近代、それは中国にとっては新しい苦しみの始まりを意味した。これと対決するには、徹底的文化革命とともに、実際的な武装闘争が必要であった。毛沢東が、まず現実的な軍事戦術論においてその特徴を発揮したのも、そのためである。そこには、マルクスやレーニンの理論とともに、伝統的な中国のちえが生きて働いている。激動する中国にあって、いまなお毛沢東の哲学的・思想的体系はととのえられるにはいたっていない。しかし、われわれは、その思想の原型の形成過程の跡を追うとき、毛沢東個人をこえた毛沢東思想の可能性を読みとっていくことができるであろう。
目次
困難な時代―毛沢東のおいたち
混迷の時期―少年のころ
歴史を動かすものを求めて
中国共産党創立参加
農民運動のなかへ
根拠地理論と軍
長征の道
新しい可能性を求めて
中国の赤い星―抗日戦争の時代
和平交渉から内戦へ
中華人民共和国の成立
大躍進からプロレタリア文化大革命へ
著者等紹介
宇野重昭[ウノシゲアキ]
1930(昭和5)年、石川県に生まれる。東京大学卒。同大学院社会科学研究科博士課程修了。現在、成蹊大学名誉教授。中国現代史・国際政治論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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