出版社内容情報
小牧 治[コマキ オサム]
著・文・その他
目次
1 カントの住んだとき・ところ(期待された不自然―片すみの、東プロイセンでの物語;殿さまの時代からフリードリヒの世紀へ;住みなれた、ケーニヒスベルク)
2 哲学研究にささげられた生涯(つつましい一市民のせがれ;わが道を行く、大学教師;思想遍歴のスケッチ;老衰とのたたかい;人間カントのおもかげ)
3 人間とは何であるか―カント哲学が探究したもの(批判哲学の課題;人間は何を知りうるか―『純粋理性批判』;人間は何をなすべきか―『実践理性批判』;道徳と自然との調和―『判断力批判』;人間は何を望んでよろしいか―『たんなる理性の限界内の宗教』;『永久平和のために』;けっきょく、人間とは何であるか―『実用的見地における人間学』)
著者等紹介
小牧治[コマキオサム]
1913(大正2)年京都府に生まれる。東京文理科大学哲学科卒。フランクフルト大学に留学。東京教育大学名誉教授。文学博士。2000年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
43
1967年初出。著者は既にご逝去なされている。著者のD先生は、権力、時流におもねらず、こびず、迎合しないばかりか、きびしい批判こそがだいじだ(6頁)。批判してこそ学問。人間に人間らしい尊厳をあたえるものは、 善き意志(傍点、12頁)。ピエチスムス(敬虔主義)の教えの根本:正直、勤勉、敬虔な信仰(64頁)。名著『永久平和のために』は1795年、71歳のときに書かれたようだ(99頁)。偉大な哲学者は、晩年に注目なのかも。カントは早朝5時ごろ起床(115頁)。2021/11/11
クロネコ
2
本書はカントの人物的研究に特化した本でした。 カントの残した文献は合理的であるが故に非常に堅く、そのため理解するのに時間のかかるものばかりで、カント自身のイメージまでお硬い人とされることが多々ありますが、本書を読んで人となりを知ることができました。 文献からはなかなか顕在化しない師と両親と時代と宗教とカントの繋がりと、ヴォルフ学派の道徳観に対する批判、道徳形而上学での形式的な記述、目的の国等、それら道徳形而上学に捧げる心と言う面を知ることのできる良い本であると感じました。2021/02/13
クラウド
0
カントの全体像。 カントの解説書の類は三批判によりがちなところがあるが、これは人生、宗教、道徳、平和、などもカバー。 彼の哲学は社会の中では新しいところもあったが、人間としては保守的な部分もある。是々非々。2024/07/04
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