出版社内容情報
渡辺 信夫[ワタナベ ノブオ]
著・文・その他
内容説明
キリスト教の思想家で、社会的に大きい影響をおよぼした人としては、第一にカルヴァンをあげねばなるまい。キリスト教のうちでも、当時まだ発足早々であったプロテスタントの陣営、しかもそれのさらに一小部分にかれの活動分野は限られていたが、やがてヨーロッパ全域が直接間接にかれの影響をうけた。いったい、宗教思想というものは社会の思想から数歩しりぞいたところに立つのがふつうである。ところがカルヴァンは、社会をリードし開発していくような思想の開拓者となった。かれはそのような道を、人生の深みに徹し抜くことによって切り開いていった。そのいみで、かれはたんに社会的思想家であるのみでなく、すぐれた人生の教師であり、人生における最も真なるものの証言者である。
目次
1 カルヴァンの生涯(形成の道程;参加する人生;勇気ある人生の勝利)
2 カルヴァンの思想(神と人;キリストと人間;信仰と生活;教会と世界)
著者等紹介
渡辺信夫[ワタナベノブオ]
1923(大正12)年、大阪府に生まれる。京都大学文学部哲学科卒。文学博士(京都大学)。元日本基督東京告白教会牧師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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belier
1
昔読んだ本の印象では、カルヴァンは偏狭すぎるとして批判する人が多い。そこでカルヴァンを信奉する人の視点を得たいと読んだ。しかし残念ながら著者がひいきの引き倒しで逆に説得力がなかった。再洗礼派などを狂信者と決めつけるのはいかがなものかと言いたくなる。結局、カルヴァンは本当のところどうかわからないが、少なくともこの本の著者は偏狭的という感想を持つに至った。後半のカルヴァンの思想について、ルターと違いカルヴァンは政治に積極的に関与する考え方というのはなるほどと思った。オランダの歴史でも見れたからだ。2017/08/13
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