Century Books 人と思想 163<br> ミリンダ王―仏教に帰依したギリシャ人

Century Books 人と思想 163
ミリンダ王―仏教に帰依したギリシャ人

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784389411633
  • NDC分類 183.95
  • Cコード C1315

内容説明

紀元前二世紀の中頃、インド西北部(今のパキスタン・パンジャーブ州など)を中心に広大な地域を支配していたギリシャ人のミリンダ王(ギリシャ名はメナンドロス)と、当時の仏教教団の優れた指導者ナーガセーナ長老との間に、仏教の教理思想の根本をめぐって鋭い対話討論が交わされた。それはギリシャ思想とインド仏教思想の対決でもあった。その結果、王は仏教に帰依した。問答の内容は、古代インド語の一種であるパーリ語で書かれた『ミリンダ王の問い』という大変ユニークな経典や、その漢文訳『那先比丘経』など、現存の資料によって詳しく知ることができる。本書は、右の二人の伝記や時代背景、経典の成立伝播翻訳の歴史、対論の教理思想の解説に、現地踏査の旅行記を付した書である。

目次

1 伝記篇(伝記検討の資料と方法;西北インドのギリシャ人国家 ほか)
2 経典篇(経典の原型;パーリ語原典 ほか)
3 思想篇(無我の思想;業論 ほか)
4 付篇 ミリンダ王故地旅行記(パキスタンとは;旅行日記)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

暗頭明

2
(東方でなく)西方に展開した仏教の史的側面(たとえば「仏教に帰依したギリシャ人」)についてもっと記述してほしかった。この渇きは本書では癒えない。経典篇最後のページにある翻訳展開図、巻末参考文献を今後導きとしたい。『悲しき熱帯』の「39 タクシーラ(タキシラ)」も再読したい。そこでレヴィ=ストロースはミリンダ王貨幣を見つけ思いを馳せるのだった:「地中海世界とインドとを結び付けようとする試みが、永続性のある遣り方で成功していたとしたら、今日の西洋世界はどうなっていただろう」。2014/03/05

13km

2
仏教難しすぎる。そりゃ流行らんわ。2013/08/22

in medio tutissimus ibis.

0
前々から無我と輪廻(業)って食い合わせが悪いとは思っていたのだが、逆にその両者を並立させなければならなかったところに仏教の仏教たる葛藤を見るべきなのかもしれない。そこが弱点というか要というか。そも釈尊からして滅茶苦茶輪廻してきたのが解脱した設定だから輪廻はなかったとは言い難いか。出家主義の仏教が世俗的な倫理にどこまで配慮したかは疑問。っていうか業果の善悪って「解脱に役立つかどうか」って聞いたような……倶舎論だっけ(曖昧)。初期仏教って涅槃教だったのか。旅行記は……うんうんそれもまた現実だね。口癖なのかな?2017/04/30

リョウ

0
ギリシャ弁論術VS仏教思想。ギリシャ出身のミリンダ王の問いに、長老ナーガセーナは圧倒的な智慧のもと、悠然と、巧みなたとえなどを用いて即答してゆく。最後ミリンダ王は、深く感銘を受け、仏弟子になる。恐るべし、長老ナーガセーナ。無我論は、西洋哲学の認識論をあっさり超える。2010/01/14

古本屋

0
ギリシア哲学VSインド仏教という、注目の東西両思想の対決を今に伝える『ミリンダ王の問い』。テキストとしては、漢訳『那千比丘経』とパーリ語『ミリンダ・パンハ』の二つが現代に伝わっているが、その原典は仏教に帰依したとされるギリシア人の間で、ギリシア語で書かれていたという。無我論と業果の主体、または輪廻の主体という問題について、両者の問答が展開されるが、両者の間で本当に議論はかみ合ったのか?問答は何語で行っていたのか?いろいろ興味深い点が多いと思う。2020/02/25

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