出版社内容情報
福田 清人[フクダ キヨト]
著・文・その他/編集
前田 登美[マエダ トミ]
著・文・その他
内容説明
正岡子規の名は、近代文学において不朽である。彼は俳人であり、歌人であり、写生文家であった。同時に彼の生涯は病魔との闘いの連続であった。二十二歳の若年にして喀血して以来、激痛と高熱に見舞われ、ほとんど病床から離れることは不可能であった。「写生」を基盤とした俳句革新、短歌革新、写生文創始などの偉大な業績は、すべてそういう彼の、小さな病室でなされたのである。しかし彼は野心家であった。日毎に衰弱していく肉体の中で、彼の野望は火のごとく燃えあがった。私たちが今、近代の短詩型文学について語ろうとすれば、まっさきに子規を語り、彼の唱導した「写生」を語らねばならない。彼こそ短詩型文学の父である。おそらく俳句や短歌が消滅しないかぎり、彼の名は永遠に伝えられるであろう。
目次
第1編 正岡子規の生涯(不屈の一生;やさしい少年時代;大志を抱く―血気に燃えて;野望の鬼;闘病のはてに―短く、たくましく)
第2編 作品と解説(革新の火―俳句;写生の道―俳論;更に短歌を―短歌;既成歌壇攻撃―歌論;写生文の道―小説・随筆)
著者等紹介
福田清人[フクダキヨト]
1904(明治37)年長崎に生まれる。1927年東京帝国大学文学部国文科卒。立教大学教授をへて、実践女子大学教授、日本近代文学館常任理事を歴任。1995年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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