出版社内容情報
サンセバスチャンが教えてくれた「食を楽しむ生活文化」、すべてはそこから始まった。
1985年に函館にスペイン料理店「レストランバスク」を開き、日本でいち早く本格バスク料理を伝えてきた著者。
修業時代に過ごしたサンセバスチャンのバル文化のエッセンスを日本に伝えようと、2004年に地域の仲間たちと「函館バル街」というイベントを始め、年2回の町の名物に成長させた。
2009年には「世界料理学会in Hakodate」を発足。料理界に新しいネットワークを生み出した。
今や全国に広がった「バルによる町おこし」の核心とは何なのか。「食を通じて人と人がつながる」「料理人が社会に貢献する」という理想の源にあるものは? 人生におけるさまざまな出会いをふり返りながら、「料理人にできること」を語るエッセイ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もけうに
6
料理人・地域振興関係無く、1人の人間の人生を追った書として面白い。あの時代に外国に行き、バスク料理・スペイン料理を学び、店を開くとは凄い。函館は斜陽都市とはいえ魅力的な街であることに間違いは無い。西部地区はバルを開催するにはぴったり。あの美しい街並みで立ち食べ飲みとは、想像するだけで素晴らしい。コロナが収まれば、是非行ってみたい。2021/11/18
tetsubun1000mg
5
筆者深谷宏治さんがオーナーシェフの「レストランバスク」は35年函館で続いているバスク地方料理がメインのレストラン。 初めて聞くお名前・店名でしたが、シェフと奥様とのニ人三脚で店を軌道に乗せて、函館を食の街にするイベントや料理人を束ねて「料理学会」を企画・実行してしまう。 自分の事、自分の店だけの事を考えるのではなく、修行したスペインバスク地方の地域性と、恩師シェフのルイス・ィリサールの影響も大きかったのでしょうか。 この本は私には小説を読んでいるようでした。 街や料理界の事を考えての行動に夢が感じられる。2019/10/01
わらび
4
料理人とは何かを考えさせられる一冊。料理を作るのが仕事ではない、料理の先の笑顔を創出するのが料理人、幸せ配達人だと、深谷さんは仰っている。料理人だから、営業マンだから、という表現がそもそも適切ではなく、料理人でも、やる気さえあれば何でもできる。つまり、本人次第で何でもできてしまうのである。職業はそのツールのひとつに過ぎない。2021/05/03
の
3
函館のバスクとラコンチャを経営する深谷さんの本。バル街の発案者でもある。函館の魅力度ランキングが上位なのは、彼の功績が大きい。どこで会っても、とっても気さく。まえ、青森バル街にいらしていてびっくりした。助成金を使わずに成り立たせるシステム作り、素晴らしいと思った。 2020/02/01
Masa
2
料理人が社会をつくること、これは各国のトップシェフがやってきたこと。 彼らは料理人であり、哲学者であり、思想家であり、政治家であり、活動家なんだと改めて思う。 僕は料理人でありたい。2021/05/21