内容説明
僕がはじめて見つけたとき、めげゾウは市場の古い通りに、投げ出されたようにうずくまっていました。手足?は汚れて、ツギもあたっているようでした。出来た絵をみんなに見せたら、かわいい!と言ってくれる人もいたし、絶句する人もいました。ただ眺めていたい、撫でてやりたいと言う人も。でもそれが何なのか、今でも僕にはよく分からないのです。ただこういうものがどこかにいることを思うとき、僕は自分の心が、いくらかめげゾウの形のようにまるくやわらかくなるような気がしたのです。たとえ泥が付き、破れがつくろってあっても…そこでこの画集を皆さんのお目にかけます。
著者等紹介
井上直久[イノウエナオヒサ]
1948大阪生。作品に、画集『虹化石の街へ』(サンリオ)、『イバラード博物誌1~3』(架空社)、映画「耳をすませば」(スタジオジブリ)の幻想シーン美術、マンガ『イバラード物語』(青心社)、CD‐ROM「イバラードの世界」(シンフォレスト)などがある。東京、大阪、札幌、パリ他の個展で作品を発表している
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