出版社内容情報
東日本大震災から3年、住民の希望となる三陸鉄道の復活にかけた社員の物語。全線再運行までの汗と涙のドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
も
26
昨年の夏、釜石に住む友人を訪ねて南リアス線に乗ったことを思い出しながら読みました。あの大きな地震からたった5日で運転再開したとは本当に驚きです。「この絶望的な状況に風穴を開けるということです。」この言葉のとおり、三鉄を利用していた住民の方はすぐに立ち上がった三鉄に元気づけられたのではと思いました。社員のアイデアやたくさんの方の支援によって3年あまりで全線再開。涙なくしてはよめませんでした。2014/12/08
けんとまん1007
22
涙がでますね。いろんな意味の涙が。鉄道というものの持つ意味を、改めて考えた。自分の住む町にも鉄道があって、年に数回乗るくらい。でも、あるとないとでは、随分違う。バス路線とも違う意味がある。だからこそ、それを支える人たちの思いが、こもっているのだと思う。壊滅的な状況からの復活、直接的な関係者だけでなく、間接的な関係者や周囲の人たち。こんなにも、裾野が広いんだと再認識。もちろん、自活というのが前提かもしれないが、国全体として考えるべき視点がたくさん詰まっている。2014/09/12
masa
21
発災から3年目の春、開業30年の節目に南三陸鉄道は全線で運行を再開。県職員OBの望月社長はなんと発災から5日後に久慈~陸中野田間を再開させ世間を驚かせた。行動力の根底にあるのは三鉄と深い絆で結ばれている住民への熱い想いである。本書はまさに情熱復活物語なのだ!三鉄社員や地元住民、応援団の心意気、掲載されている写真を見ているだけで涙腺が緩んでくる。逆境にあって一人も解雇することなく再開へ導いた望月社長に有事の際のリーダー像を見た。マスコミ報道では語られない心暖まる話が満載。お薦めします。三鉄に乗りたくなった‼2015/02/26
野比玉子
16
実に良かった。東日本大震災から3年あまりでここまで復旧させることができたのも、三陸鉄道で働く人達が、鉄道が好きで郷土を愛しているからこそ出来たのだと感じました。復旧してもまだまだこれから難題をクリアしていかなければならないことが山積みだと思われますが、そこはもう少し国の支援が必要だと思うのは私だけでしょうか。2014/10/03
びすけっと
16
2014年7月刊。遠征先図書館出会い本。三陸鉄道開業三十周年記念の刊行ですが、東日本大震災による被災と復旧に向けて社員の一途な活動が記されています。国鉄再建の名の下、全線開通しなかった路線を引き継ぎ「陸の孤島」を解消すべく、開業した三鉄。少子高齢化とともに乗客は減り赤字を生むものの、地元の期待は依然大きい。被災後すぐさま行動し、無料の震災復興列車を走らせた社長はじめ社員の踏ん張りは言葉になりません。岩手県沿岸地域の復旧復興とあわせて、交通網をどうするのか。三鉄社員と地域の情熱に国が試されている気がします。2014/08/26