内容説明
感性と分析とストーリーテリングの稀有な結合。「短い20世紀」を苛烈に生きた歴史家の、記憶の糸車が回りはじめる。自伝のかたちを借りた、もうひとつの『20世紀の歴史』。
目次
ウィーンの幼年時代
つらい時代
ベルリン―ワイマール死す
ベルリン―茶色と赤色
島国にて
ケンブリッジ
ファシズムと戦争に抗して
共産党員であること
戦争
冷戦
スターリンとその後
分水嶺
クニヒト山麓にて
六十年代
政治の観察者
歴史家たちの間で
マルセイエーズ
フランコからベルルスコーニへ
第三世界
FDRからブッシュへ
終曲
著者等紹介
ホブズボーム,エリック[ホブズボーム,エリック][Hobsbawm,Eric]
20世紀後半を代表する歴史家。1917年、アレキサンドリア(エジプト)に生まれる。ウィーンとベルリンで育ち、のちイギリスへ渡る。ケンブリッジ大学で経済史を学び、1982年に退官するまでロンドン大学で教鞭をとる。その後は、ニューヨークのニュースクール・フォア・ソーシャルリサーチを拠点に、文字どおり世界各地を飛び回って講義・講演を行なう。独、英、仏、西、伊をはじめとする諸言語をあやつるポリグロット。有名な「長い19世紀」「短い20世紀」の概念を提唱し、驚嘆すべき総合の才を発揮して、1994年には壮大な「19世紀・20世紀史」4部作を完成させた
河合秀和[カワイヒデカズ]
1933年、京都市生まれ。1956年、東京大学法学部政治学科卒業。学習院大学名誉教授。専攻、近現代ヨーロッパとイギリスの政治
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感想・レビュー
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がんぞ
3
1917年、アレクサンドリア生。母語はドイツ語。自著歴史書のサイドストーリーとしての自伝。ティーンにマルクス主義者となり、21世紀のいまもソ連に憧憬を覚える(支那には共感しない。中越紛争のあとでは東アジアは「分からない」と逃げてる)。英国で兵役6年。WW2勃発は悲劇ではあったが「終戦後にはより良い(社会主義の)世界が来ると信じていた」、それより1956年“スターリン批判”は西欧の共産主義者のトラウマとなった…。英国人に比べユーモア不足。原著2002年「国際資本主義の破綻」と9.11に20世紀の終焉を見た。2015/09/27