内容説明
一九六四年、東京オリンピックが開催された年に、著者は自動車産業に参入したばかりの本田技研工業株式会社に入社した。以来三六年のあいだ、一担当デザイナーから経営的立場(常務取締役・四輪事業本部商品担当)まで、幅広いデザイン活動や商品開発に携わることができたと思っている。またそうした中で、創業者・本田宗一郎をはじめ歴代経営陣の薫陶を受け、「モノつくり」とはどういうものであるかを学んだ。そしてデザインのもつ威力を目の当たりにし、それが企業経営にとっていかに重要か、身をもって体験したひとりである。本書は、二〇〇〇年から三年間にわたり、教鞭をとってきた多摩美術大学生産デザイン学科プロダクト専攻での「プロダクトデザイン概論」、および立命館大学経営学部での「製品開発論」の講義内容をもとにしている。デザイナーを志す学生のみならず、広くデザインに興味をもつ一般の人たちにも、デザイン、とりわけ著者が専門としてきたプロダクトデザインとはどんなものなのか、どのようにして行われるものか、またそれが人々の生活の中でいかに大切なものなのか、について知ってもらいたく再編集したものである。
目次
私とデザイン
デザインとモノつくりの原点
デザインと産業革命
デザインを考える
デザインから見る自動車の変遷
デザインから見る世界
ホンダに見るデザイン
デザイナーこと始め
デザイニングこと始め
ホンダに学ぶデザイン
二一世紀のデザイン
著者等紹介
岩倉信弥[イワクラシンヤ]
1939年和歌山県生まれ。1964年多摩美術大学美術学部図案科卒業、本田技研工業株式会社入社。1990年株式会社本田技術研究所・専務取締役。1995年本田技研工業株式会社・常務取締役(四輪事業本部商品担当)。1999年同・社友。2004年立命館大学・経営学(デザイン・マネジメント)博士。現在、立命館大学経営学部・客員教授(製品開発論)。多摩美術大学教授・生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻・学科長。(財)日本産業デザイン振興会(JIDPO)・理事。1973年CIVIC’74カー・オブ・ザ・イヤー・大賞(外装デザイン担当)。1979年CIVIC S.54年度全国発明表彰・通産大臣賞。1983年CIVIC’84日本カー・オブ・ザ・イヤー大賞(企画・デザイン担当)。1984年CIVIC イタリアピアモンテ・デザイン・アワード・大賞。1984年CIVIC 通産省・グッドデザイン賞。1985年ACCORD’86日本カー・オブ・ザ・イヤー・大賞(商品開発担当)。1994年ODYSSEY’96RJCニュー・カー・オブ・ザ・イヤー大賞(商品担当役員)。1993年通産省・諮問委員会委員(21世紀の日本をデザインする)。1995年日本産業デザイン振興会・諮問委員会委員(民営化に向けて)
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