内容説明
北海道・サハリン島・千島列島・本州東北部を自由の大地として豊かに暮らしてきたアイヌ民族は、シャモ(日本人)・日本国家による侵略・同化・差別と闘ってきた。その抵抗の歴史に学び、日本列島の歴史を捉えなおす。
目次
第1章 アイヌ民族の源流を探る
第2章 「エゾ」とは誰か
第3章 アイヌ文化・民族の形成
第4章 豪族侵入とアイヌ蜂起
第5章 幕藩制国家との戦い
第6章 アイヌ強制連行の時代
第7章 開拓の嵐のなかのアイヌ民族
第8章 アイヌ強制移住の記録
第9章 アイヌ民族復権への道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アンゴ
2
大量の参考文献を元に古代から現代までアイヌの歴史を民族形成、時の日本政権や他民族との関わりや地勢的考察、近代国家に圧殺される先住民族の姿を披露する。予備知識ない者にも取っつきやすく時代を追いながらの多面的考察は入門編として相応しい均質な印象。一方で著者の牧師という職業柄止か、所々に散見する現代的人道主義が客観性を曇らせる表現に、時代背景をその時に立ち戻り加被両方の視点で客観的に考察して欲しいと思うのは、しゃもと云う加害側の引け目だろうか。何れにしろ日本がチベット問題等に気軽に意見出来る立場でない事は確か。2012/11/08
堆積物帝国
0
日本という国はいい加減侵略者の歴史を直視すべきだと感じてしまう。負の歴史を認める事は日本文化の良い側面を否定するものではない。日本を礼賛するのであれば、その歴史も受け入れるべきだろう。2021/09/23