内容説明
「とうめいなやさしさ」をテーマに選んだ4作品。生きること、働くこと、人との繋がりetc…誰もが生き辛さを感じている現代社会。こわばった“こころ”と“からだ”から、フッと力を抜いてみませんか?
目次
理髪師誘拐事件
言葉のない物語
砂漠の町のX探偵(以上3篇『風の研究 別役実童話集』より)
ふなや(『別役実の混沌・コント』より)
著者等紹介
巳年キリン[ミドシキリン]
1978年生まれ。周囲の人に助けられて生きる、都市の労働者で、恋愛できないタイプの性的少数者。これまでの漫画作品に「働く、働かない、働けば」(貧困ジャーナリズム賞2018受賞)など
別役実[ベツヤクミノル]
劇作家。1937年、旧満州生まれ(2020年3月3日没)。早稲田大学政経学部中退。日本の不条理演劇の第一人者。1963年『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で第13回岸田國士戯曲賞を受賞。1988年、芸術選奨文部大臣賞。2007年、紀伊國屋演劇賞。2008年、鶴屋南北戯曲賞、朝日賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フム
27
友人が別役実の演劇が好きだと話していたものだから、新刊コーナーで見つけて読んだ。タイトルにも表紙の絵にもひかれた。「とうめいなやさしさ」か…よさそうだなと。やさしい気持ちになれるかなと。 中を見て漫画だったことに気がついて驚いた。表紙のあったかい感じの絵は巳年キリンさんという漫画家さんの絵だったんだ。最後から2番目の消えていく象の話辺りから世界観に慣れてききた。最後の「ふなや」は、うん、とうめいなやさしさってこういうものか、(透明すぎて)気がつかないでいる、やさしい世界があるんだなと、じんわり沁みた。2021/02/15