内容説明
人生における幸運とは?ドイツの作曲家メンデルスゾーン、デンマークの作家アンデルセン、スウェーデンのソプラノ歌手リンド―境遇も生まれも違う三人の出会いと別れを激動の十九世紀を舞台に描く。
目次
第1章 再会のとき
第2章 三匹のクモの子
第3章 優等生の良い子
第4章 栄光と挫折
第5章 はい上がる
第6章 三人の接点
第7章 「彼女を恋している!」
第8章 幸せな家庭
第9章 ひびきあう心
第10章 「お兄さま」
第11章 結ばれない運命
第12章 突然の終わり
著者等紹介
中野京子[ナカノキョウコ]
ドイツ文学者。早稲田大学講師。朝日新聞ブログ「ベルばらKidsぷらざ」にてエッセー「世界史レッスン」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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クナコ
9
初読。互いに偉大な作曲家メンデルスゾーンと童話作家アンデルセンと、当時のトップ女性歌手であったリンドの三角関係を半小説化した物語。思ったほどメンデルスゾーンとアンデルセン両者自体は関わりがなかった印象。タイトルを「メンデルスゾーンとアンデルセンとリンド」とした方が正確だが、仕方がないだろう。本作中でリンドが言うように、演者でありその技量を評価された彼女だけは、後世に伝える作品等がないゆえ、ふたりのような不滅の名声がないのだから。三者三様、なかなか我が強く、望むものが見事にすれ違っていたように思う。2024/11/17
mitya
5
メンデルスゾーンとリンドのことは全く知識がなかった。アンデルセンとの三角関係があったことを本書で知った。何もかも手にしているようなメンデルスゾーンと極貧の生まれのアンデルセンは対極的だ。それでも交わる点が在り、38歳という若さで亡くなるメンデルスゾーンに対してその後アンデルセンは30年、リンドは40年生きる。著者の言うように人生の運不運とは何だろう。2021/01/22
Nina
5
美しい表紙に私の好きな音楽と物語の組み合わせ。思わずとびつきました。リンドも含め3人の生き様がよく分かります。メンデルスゾーンの「歌の翼」を聴きたくなりました。2016/05/15
雪空
4
最近たまたまメンデルスゾーンのピアノ曲がいいなあと思っていたところで、タイムリー。この二人につながりがあることは全く知らなかったので気になって手に取った。メンデルスゾーンについて、影がないみたいな評価を聞いたことがあったけど、決してそんなわけでもなさそうで、彼の作品に興味が出てきた。対してアンデルセンの空気読めなさっぷりに苦笑い。三人の関係でドロドロした映画を見てみたい。2022/08/21
頼ちゃん
4
国語の教科書に紹介されています。メンデルスゾーンとアンデルセンのつながりは知りませんでした。なんかアンデルセンがかわいそう。2016/06/26
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