岩波文庫
人はすべて死す 〈下巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 328p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003256725
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

主人公フォスカは永遠の生命を得て,無限に理想を追及し新たな試みを繰り返すことが可能になった.ところがそれと同時に彼は自由を失い,生ける屍と化してゆく.実存主義の代表的な作家ボーヴォワール(一九〇八‐八六)が不死の男を媒体として近代史を分析し,人間の自由とは何か,また生きることの意義とは何かを問うた力作.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nightU。U*)。o○O

1
人生の絶頂を生きる情熱と喜びに対照される恐ろしい永遠の虚無。ここでは「生きるために死ね」という勧告のようにも読める。この前にあっては実際どちらも変わりがないし、歴史(もちろん現在の作者が観測するものでしかなく、ここではとても浪漫的のそれ)に繰りかえされることによって飽き飽きとさせるほどにそれは真理なのだろう。それは人間という一個の動物の認識のうちにしか認識を許されていない人間の限界があり、更にそのうちに閉じこめられている個人という限界、自分は自分でしかないのだというどうしようもなさに裏打ちされている。2015/10/23

廃墟の人

0
永遠の命を手に入れた男の死ねない悲劇。2012/10/30

YY

0
終わりがあるからこその道、ってことか。それにしても、相手が不死に嫉妬したりし始めた時のフォスカの心情を察するとあまりに悲しい。2012/03/28

Yas

0
ボーヴォワールの作品の中でも、とりわけ読みやすい作品。 「100万回生きたねこ」を読んで「愛すること」が大切と感じた後は、この「人はすべて死す」を読んで、「死」があるってことは素晴らしい、だから、「生」そして「自由」があるんだと考えるのもよいのではないでしょうか。

meg

0
本が付箋だらけ。 生きることも死ぬことも、綺麗事じゃない。ニンゲン。 でも、うつくしいと信じたい。 ボーヴォワールからの問いかけ。2022/11/09

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